ユーリエ・フォン・ブランデンブルク

ゾフィー・ユーリエ・フォン・ブランデンブルク：信仰に生きた公爵夫人

ゾフィー・ユーリエ・フォン・ブランデンブルク（1793年1月4日 - 1848年1月27日）は、アンハルト＝ケーテン公フェルディナント・フリードリヒの2番目の妻として知られています。彼女の生涯は、プロイセン王室との繋がり、結婚、そしてカトリックへの改宗という、波瀾万丈な出来事に彩られています。

生い立ちと結婚

ユーリエは、プロイセン王フリードリヒ・ヴィルヘルム2世と、愛妾ゾフィー・フォン・デーンホフ伯爵夫人の間に生まれました。彼女は、後のプロイセン宰相となるフリードリヒ・ヴィルヘルムを兄に持ちます。幼少期は、プロイセン宮内長官ファレンティン・フォン・マッソーの屋敷で育ち、その美貌からプロイセン宮廷で注目を集めました。多くの求婚者が現れましたが、彼女は身分を理由に全て断っています。

1816年、ユーリエはアンハルト＝ケーテン公フェルディナント・フリードリヒと結婚しました。しかし、夫婦の間に子供は恵まれませんでした。

カトリックへの改宗

1825年、ユーリエと夫フェルディナント・フリードリヒは、パリ訪問中にイエズス会司祭ルーサンの勧めを受け、カトリックに改宗しました。この決断は、プロイセン宮廷に大きな衝撃を与えました。ユーリエは、1827年に自らプロイセン宮廷を訪れ、異母兄であるフリードリヒ・ヴィルヘルム3世に直接改宗の事実を伝えましたが、宮廷は彼女に対する怒りに包まれました。

ベルリン宮廷とケーテン宮廷の連絡は、ライプツィヒ駐在のオーストリア総領事アダム・ミュラーが担当しました。1828年にはケーテンにローマ教皇庁の在外公館が置かれましたが、ケーテン在住のカトリック信徒は、公爵夫妻に仕えるカトリック聖職者のみでした。

ウィーンでの晩年と死

1830年に夫と死別した後、ユーリエは聴罪司祭ピーテル・ベックス（後の第22代イエズス会総長）を伴ってウィーンに移り住み、1848年にその生涯を閉じました。彼女と夫の遺骸は、ケーテンの宮殿に公爵夫妻が建てたカトリックのザンクト・マリア城内教会の礼拝堂に安置されています。

ゾフィー・ユーリエ・フォン・ブランデンブルクは、プロイセン王室の血を引きながらも、カトリックへの信仰を貫き、激動の時代を生きた女性でした。彼女の生涯は、信仰と政治、そして個人の選択が交錯する歴史の一断面を映し出しています。

参考文献

Beda (Hubertus) Bastgen: Das Herzogspaar Ferdinand und Julie v. Anhalt-Köthen, die Anfänge der Kath. Pfarrei in Köthen und der Heilige Stuhl. Nach den Akten des Vatikanischen Geheimarchivs, Paderborn 1938.
Franz Schulte: Herzog Ferdinand und Herzogin Julie v. Anhalt-Cöthen. Eine religionsgeschichtliche und religionspsychologische Studie, Cöthen: Verlag des Sächs. Tageblattes 1925.

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