ヨアン・グルキュフ

ヨアン・グルキュフ：フランスの貴公子、その栄光と苦悩

ヨアン・ミゲル・グルキュフ（Yoann Miguel Gourcuff, 1986年7月11日 - ）は、フランス・ロリアン出身の元プロサッカー選手。攻撃的ミッドフィールダーとして、その才能を発揮し、国内外で注目を集めた。

プロとしての輝かしいキャリア

グルキュフは、父クリスティアンが監督を務めていたFCロリアンでサッカーを始める。その後、スタッド・レンヌのユースを経て、2003年にプロデビュー。2005年のUEFA U-19欧州選手権では、ハットトリックを達成するなど、チームの優勝に大きく貢献し、一躍ヨーロッパの注目を集める存在となった。

2005-06シーズンには、19歳ながらレンヌで背番号10を背負い、リーグ戦7得点を記録。UEFAカップにも出場するなど、中心選手として活躍した。

2006年、ACミランへ移籍。しかし、アンドレア・ピルロやジェンナーロ・ガットゥーゾといった実力者の壁は厚く、出場機会に恵まれなかった。2008年、母国フランスのFCジロンダン・ボルドーへレンタル移籍。

ボルドーでは、才能が開花。2008-09シーズンには、リーグ・アン最優秀選手に選ばれる活躍を見せ、チームを10シーズンぶりのリーグ優勝に導いた。その後、オリンピック・リヨンへ移籍するも、度重なる怪我に悩まされ、満足な出場機会を得られなかった。

2015年には古巣レンヌへ復帰。その後、ディジョンFCOを経て、現役を引退した。

フランス代表としての活躍と挫折

グルキュフは、フランス代表としても活躍。2008年にA代表デビューを飾り、ルーマニア戦で代表初ゴールを記録した。2010 FIFAワールドカップにも出場したが、チームは不振に終わり、自身もレッドカードを受けるなど、不本意な結果に終わった。EURO2012、2014 FIFAワールドカップには招集されず、代表でのキャリアは輝かしいとは言えなかった。

ピッチ外での評価と人物像

グルキュフは、その端正な顔立ちから「貴公子」とも呼ばれ、多くのファンを魅了した。しかし、内向的な性格や自己中心的な面も指摘され、パオロ・マルディーニやカルロ・アンチェロッティからは批判的な評価も受けている。

引退後

引退後は、幼少期からの趣味であったテニスに転向。アマチュアプレイヤーとして、地域大会などに参加している。

ヨアン・グルキュフは、その才能と容姿で多くの人々を魅了した一方で、怪我や性格的な問題に苦しみ、そのポテンシャルを十分に発揮できたとは言い難い。しかし、彼が残した功績は、フランスサッカー史に刻まれている。

タイトル

クラブ
ACミラン
UEFAチャンピオンズリーグ (2006-07)
UEFAスーパーカップ (2007)
FIFAクラブワールドカップ (2007)
ボルドー
リーグ・アン (2008-09)
トロフェ・デ・シャンピオン (2008, 2009)
クープ・ドゥ・ラ・リーグ (2009)

代表
UEFA U-19欧州選手権 (2005)

個人
リーグ・アン年間最優秀選手賞 (2008-09)
リーグ・アンベストイレブン (2008-09, 2009-10)
リーグ・アン・ゴール・オブ・ザ・イヤー (2008-09)
* フランス年間最優秀選手 (2009)

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