ヨナス・カウフマン

ヨナス・カウフマン：重厚な歌声で世界を魅了するテノール歌手

ヨナス・カウフマン（Jonas Kaufmann, 1969年7月10日 - ）は、ドイツ出身のテノール歌手です。その端正な容姿と、イタリアのテノールとは一線を画す、暗く重厚な声質で国際的な人気を博しています。

経歴

ミュンヘンで生まれたカウフマンは、ミュンヘン音楽・演劇大学で声楽を学びました。在学中から地元の歌劇場で舞台に立ち、下積み時代を経験。2001年にチューリッヒ歌劇場の専属歌手となり、数多くのオペラに出演しました。

転機となったのは、ソプラノ歌手アンジェラ・ゲオルギューにその才能を見出されたことです。2004年ロイヤルオペラハウスの『つばめ』、2006年メトロポリタン歌劇場の『椿姫』で相手役に指名され、一躍注目を集めました。

若い頃はリリックな声でしたが、声帯の故障を機に発声法を再構築。現在の暗く重い声へと変化しました。「バリトンのような声」と評されることもありますが、高音は力強く輝きを放ち、その声には力強さと繊細さが共存しています。

レパートリーは非常に幅広く、ワーグナーをはじめとするドイツオペラはもちろんのこと、イタリア、フランスオペラ、歌曲など多岐にわたります。世界中の主要な歌劇場やバイロイト音楽祭などで活躍を続けています。

キャンセルが多いことでも有名

しかし、カウフマンはキャンセルが多いことでも知られています。特に日本では6回の来日公演がキャンセルとなり、ニューヨークのメトロポリタン歌劇場でも2015年から3年連続で全公演をキャンセルするなど、その歌声を実際に聴くことは非常に難しいと言われています。

来日公演

過去には以下の来日公演を行っています。

2000年11月：ミラノ・新ピッコロ劇場来日公演「コジ・ファン・トゥッテ」フェランド役（日生劇場）
2003年4月：歌曲リサイタル（東京オペラシティ ほか）
2015年5月・6月：歌曲リサイタル（サントリーホール、ミューザ川崎、ザ・シンフォニーホール）※2014年の振替公演
2018年1月：ジャパンツアー オペラアリアを歌う（大阪フェスティバルホール、サントリーホール、オペラシティコンサートホール）※2016年の振替公演

残念ながら、以下の公演は降板しています。

2011年6月：メトロポリタン歌劇場来日公演「ドン・カルロ」題名役
2011年9月：ボローニャ歌劇場来日公演「カルメン」ドン・ホセ役
2011年9月・10月：バイエルン国立歌劇場来日公演「ローエングリン」題名役
2014年10月：歌曲リサイタル
2016年11月・12月：ジャパンツアー オペラアリアを歌う
2017年8月：ジャパンツアー オペラアリアを歌う ※2016年の振替公演

私生活

カウフマンは、メゾ・ソプラノ歌手のMargarete Joswigと結婚し3人の子供をもうけましたが、2014年に離婚。2019年に再婚し、同年3月には再婚相手との間に新たな子供が誕生しています。

重厚な歌声と甘いマスクで世界中のファンを魅了するヨナス・カウフマン。その歌声をいつか生で聴ける日が来ることを願うばかりです。

ヨナス・カウフマン公式サイト

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