ヨーロッパ戦勝記念日

ヨーロッパ戦勝記念日

ヨーロッパ戦勝記念日（Victory in Europe Day、通称VEデー）は、第二次世界大戦における連合国の勝利を祝う日で、主に5月8日に祝われます。この日は、連合国がドイツに対して勝利を収め、戦況が終結したことを象徴しています。特にロシアや一部の旧ソ連諸国では、現地時間で5月9日に記念日を祝うため、日付の扱いに若干の違いがあります。

降伏文書の調印

第二次世界大戦中の降伏の瞬間、1945年5月7日午前2時41分、フランスのランスにおいてカール・デーニッツ元帥が指揮するドイツの代表が、連合国の最高司令官ドワイト・D・アイゼンハワー元帥と降伏文書に調印しました。この文書の停戦発効時刻は中央ヨーロッパ時間で5月8日23時01分と記されていますが、イギリスでは夏時間が適用されるため、実際の停戦は5月9日0時01分に相当します。

この降伏文書にはソ連軍の代表が証人として署名しており、文書の内容や手続きについての合意は容易ではありませんでした。作戦指揮権を持つドイツ国防軍最高司令部総長、ヴィルヘルム・カイテル元帥による正式な調印は、この後の5月8日、ベルリンで実施されました。

各国の反応

イギリス

連合国の勝利を祝うため、1945年5月8日にはイギリス全土で盛大な祝典が行われました。特にロンドンでは、100万人を超える人々が集まり、カーニバルのような雰囲気で戦争の終結を喜びました。国王や首相も祝典に参加し、国民と共に喜びを分かち合いました。

アメリカ合衆国

アメリカでは、ハリー・S・トルーマン大統領がこの勝利を故フランクリン・ルーズベルト前大統領に捧げたと語り、国旗は半旗で掲げられました。

ソ連

ソ連では、5月9日が「対独戦勝記念日」として広く祝われ、これ以降、軍事パレードなどの盛大な行事が伝統として行われるようになりました。

ドイツ側の反応

1945年5月8日、ドイツはまだ連合国の占領下にあり、ナチス体制の崩壊が進んでいました。このため、5月8日は多くの国内で特別な意味を持たず、ただ戦局の変化があった日と認識されていました。後にドイツ連邦共和国はこの日を「第二次大戦終戦の日」と呼ぶようになり、時が経つにつれてこの日の認識は変化していきました。

対日戦勝記念日

ドイツの降伏後も、日本との戦争は続きました。日本政府は1945年8月15日にポツダム宣言を受諾し、最終的に9月2日に降伏文書に調印しました。このため、連合国では9月2日を「対日戦勝記念日」と考えています。ソビエト連邦や中国などでは、日付に違いがありますが、それぞれの国で特有の記念日が設けられています。

このように、ヨーロッパ戦勝記念日は各国で異なる日に祝われながら、第二次世界大戦の終結を象徴する重要な日として歴史に刻まれています。

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