ヨーロッパ柔道連盟

ヨーロッパ柔道連盟（EJU）

ヨーロッパ柔道連盟（European Judo Union、略称EJU）は、ヨーロッパにおける柔道を統括する国際柔道連盟（IJF）の大陸競技連盟です。1948年にロンドンで創立され、ヨーロッパの柔道界を牽引してきました。

沿革

EJUの歴史は、第二次世界大戦前、1930年代に遡ります。

1932～1933年: IJFによると、1932年8月にドイツでヨーロッパ柔道連盟が結成されました。ただし、ライターの吉田郁子は1933年としています。当時、イギリスやフランスなどはドイツが中心となることに難色を示し、1933年にはイギリスでも連盟結成の動きがありました。
1934年: ナチス・ドイツのドレスデンでヨーロッパ選手権が開催され、IJFはこれを第1回大会としています。しかし、フランスはこれに反発し、参加しませんでした。
1948年: ロンドンでヨーロッパ柔道連盟が再建されました。イギリス、イタリア、オランダ、スイスが再建メンバーとなり、その後、西ドイツ、オーストリア、ベルギーも加わりました。フランスのフランス柔道柔術連盟（のちのフランス柔道柔術剣道及び関連武道連盟）は、川石酒造之助の助言により当初は加盟しませんでした。
1950年: 最強豪国であるフランスのフランス柔道連盟がEJUに加盟し、加盟国は11カ国に増加しました。
1951年: EJUがアルゼンチンの加盟申請を認可したことにより、IJFが創設されました。フランス柔道連盟主管でヨーロッパ選手権パリ大会が開催され、書籍『柔道大事典』はこれを第1回大会としています。
1961年: ヨーロッパで初めての世界選手権がフランスのパリで開催されました。
1999年: ヨーロッパ柔道財団が設立されました。
2005年: ウラジーミル・プーチンがヨーロッパ柔道連盟名誉会長に就任しました。
2015年: コソボの加盟が認められ、加盟国は51カ国となりました。
2022年: ロシアのウクライナ侵攻を受け、EJUはウラジーミル・プーチン名誉会長の資格を一時停止し、後に正式に取り消しました。また、2007年以来会長を務めてきたロシアのセルゲイ・ソロヴェイチクが辞意を表明し、副会長だったドイツのオットー・クナイティンガーが暫定会長に就任。その後、ハンガリーのトート・ラースローが新会長に選ばれました。

主催大会

EJUは、以下の主要な柔道大会を主催または共催しています。

世界柔道選手権大会（ヨーロッパ地域で開催時）
IJFグランプリシリーズ（ヨーロッパ地域で開催時）
ヨーロッパ柔道選手権大会
U23柔道選手権大会
ヨーロッパジュニア柔道選手権大会

加盟国・地域

EJUには、51の国と地域が加盟しています。

※五十音順

特筆すべき点として、イスラエルは地理的にはアジアに位置していますが、中東諸国の反発によりアジア柔道連盟に加盟できず、EJUに加盟しています。

加盟国内競技連盟の例

フランス柔道柔術剣道及び関連武道連盟
イギリス柔道協会
その他

フランス、デンマーク、モナコ、オランダ、スイスなどは、ヨーロッパ柔術連合と国内競技連盟が同一団体として二重加盟している場合があります（2019年10月現在）。

関連項目

全日本柔道連盟
オセアニア柔道連盟
パンアメリカン柔道連盟
アフリカ柔道連盟

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