ヨーロピアン・チャンピオン・クラブズ・カップ

ヨーロピアン・チャンピオン・クラブズ・カップの概要

ヨーロピアン・チャンピオン・クラブズ・カップ（European Champion Clubs' Cup）は、サッカーのUEFAチャンピオンズリーグ（Champions League）の優勝チームに授与される栄誉あるトロフィーです。このトロフィーは、一般的に「ビッグイヤー」とも呼ばれ、その特徴的な把手の形状から名付けられました。現在使用されているトロフィーのデザインは、2006年から導入されたもので、初代トロフィーに代わるものとなっています。

トロフィーの永久保持制度

かつてのルールでは、3年連続または5回の優勝を達成したクラブは、このトロフィーを永久に保持することが許されていました。しかし、2008-09シーズン以降、このルールは変更され、トロフィーの所有権は常にUEFAが保有することになります。このため、以前のようにトロフィーを永久に保持することはできなくなり、歴史的なトロフィーは今もなおUEFAの管理の下にあります。

トロフィーのデザインと制作

このトロフィーは、2009年からのチャンピオンズリーグの準々決勝以降の抽選会ではその場に返還された後、レプリカが授与される仕組みになっています。最初のデザインの見直しは1967年にUEFAの当時の事務局長、ハンス・バンゲルターによって決定されました。ベルン出身の鋳物職人ユルグ・シュタデルマンが製作を手掛け、彫刻家フレッド・ベニンガーが仕上げを施したこのトロフィーは、制作に実に340時間もの時間がかかりました。

トロフィーは銀製で、高さは74cm、重さは約8kgです。正面にはUEFAのロゴと共にフランス語で"COUPE DES CLUBS CHAMPIONS EUROPÉENS"と記されています。一方、裏面には過去の優勝チームが記録されています。

初代トロフィーの歴史

最初のトロフィーは1956年にフランスの新聞社レキップから寄贈されました。この初代トロフィーは、1967年にレアル・マドリードが5連覇を果たしたことを称えて永久保持が決定されました。これにより、レアル・マドリードはこの新しいトロフィーが初めて授与されたチームとなりました。

優勝バッジ制度

2000-01シーズンから2020-21シーズンにかけて、チャンピオンズリーグで一定の条件を満たしたクラブには、優勝回数を示すバッジがユニフォームの左袖に付けられるようになりました。しかし、2021-22シーズンからはスポンサーのロゴが左袖に解禁されたため、このバッジは廃止され、代わりに右袖にチャンピオンズリーグのロゴとともに優勝回数が記されたバッジを着用することが義務付けられました。

永久保持のクラブ

これまでに常にトロフィーを永久保持する条件を満たしたクラブには、以下のような実績があります：

- レアル・マドリードCF（スペイン）：1960年に5連覇、1966年に6回目の優勝後。
- AFCアヤックス（オランダ）：1973年に3連覇。
- FCバイエルン・ミュンヘン（ドイツ）：1976年に3連覇。
- ACミラン（イタリア）：1994年に5回目の優勝。
- リヴァプールFC（イングランド）：2005年に5回目の優勝。

これらのクラブは、トロフィーを永久保持することに成功しましたが、近年ではFCバルセロナが2015年に5回目の優勝を果たしているものの、2009年以降はトロフィーがUEFAのものであるため、永久保持は果たしていない点に注意が必要です。これは、サッカー界における名誉と歴史の象徴として、このトロフィーがいかに重要なものであるかを示しています。

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