ライオン (バンド)

ライオンは、1980年代に活動したヘヴィメタルバンドで、特にアニメ映画『トランスフォーマー ザ・ムービー』の主題歌で広く知られています。その音楽性は、LAメタルやグラムメタルといった当時の流行とは一線を画し、ブリティッシュハードロックの伝統を受け継ぐ、叙情的で力強いサウンドが特徴です。

結成と初期活動

ライオンは、1983年にイギリスからロサンゼルスに移住した元タイタンのボーカリスト、カル・スワンと、元ローン・スターのギタリスト、トニー・スミスを中心に結成されました。その後、ベーシストのアレックス・キャンベル、そしてスティーラーでイングヴェイ・マルムスティーンらと共演していたドラマーのマーク・エドワーズが加わり、バンドの基礎が築かれます。デモ制作後、スワンとエドワーズは、ギタリストのダグ・アルドリッチとベーシストのジェリー・ベストを新たに迎え、バンドのラインナップを固めました。

1984年には、映画『13日の金曜日Part4』のサウンドトラックに「Love Is a Lie」を提供し、デビューを飾ります。1986年には、日本限定で6曲入りのEP『パワー・ラヴ』をリリースしました。

全盛期と解散

長編アニメ映画『トランスフォーマー ザ・ムービー』の主題歌を担当した後、ライオンはスコッティ・ブラザースと契約し、1987年にファーストフルアルバム『デンジャラス・アトラクション - 宿命の砦』をリリースしました。1989年には、セカンドアルバム『トラブル・イン・エンジェル・シティ』をグランド・スラムから発売。このアルバムには、EP『パワー・ラヴ』の再録音版やスレイドのカバー曲「ロック・アップ・ユア・ドーターズ」など、新旧の楽曲が収録されました。

しかし、1989年9月にドラマーのマーク・エドワーズがバイクレース中の事故で首を骨折し、バンドは1ヶ月後に解散を余儀なくされました。

解散後

解散後、カル・スワンとダグ・アルドリッチは、ハリケーン・アリスの元メンバーらと共にバッド・ムーン・ライジングを結成。アルドリッチはその後、ハリケーン、ハウス・オブ・ローズ、バーニング・レイン、ディオ、ホワイトスネイクなど、数多くのバンドやプロジェクトに参加しました。また、ジェリー・ベストは、元ホワイト・ライオンのマイク・トランプが参加したフリーク・オブ・ネイチャーで再登場し、1990年代後半にはディオのツアーにも参加しています。

音楽性

ロサンゼルスで結成されたことから、LAメタルやグラムメタルの一派と捉えられることもありますが、ライオンの音楽性は、カル・スワンのルーツである英国スコットランドの影響を受けた、ホワイトスネイクに通じるような、伝統的で叙情的なブリティッシュハードロックが基盤となっています。

ディスコグラフィー

スタジオ・アルバム

『デンジャラス・アトラクション - 宿命の砦』 - Dangerous Attraction (1987年)
『トラブル・イン・エンジェル・シティ』 - Trouble in Angel City (1989年)

EP

『パワー・ラヴ』 - Power Love (1986年)

サウンドトラック

Friday the 13th: The Final Chapter (1984年)
The Wraith - Original Motion Picture Soundtrack (1986年)
The Transformers The Movie: Original Motion Picture Soundtrack (1986年)

外部リンク

ライオン・ディスコグラフィ
ファン・ウェブサイト
* ライオン - Discogs（英語）

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