ライオンカン

ライオンカンについて



ライオンカン（LION-KAN）は、香川県高松市にかつて存在した映画館で、地域文化の重要な一端を担っていました。1922年に開館し、当初は松竹映画専門館として営業を開始しましたが、時代の変遷とともに様々な形で発展してきました。

歴史の始まり



ライオンカンは、1922年8月1日に矢野米によって開館しました。名称の由来は、彼の夫である矢野庄太郎が経営していた矢野サーカスのライオンにちなんでいます。開館初期には本物のライオンが展示されるなど、大きな話題となりました。高松市内には当時、ライオンカンのほかに玉藻座、高松劇場、昭和館など、数館の映画館が存在し、地元の映画愛好者に親しまれていました。

映画館としての変遷



ライオンカンは設立から8年後の1930年にはすでに独自の地位を確立していましたが、戦後はその経営方針を大きく変えることとなります。1945年の高松空襲によって全壊し、一時はその存続が危ぶまれましたが、1946年には見事に再建を果たしました。1969年にはボウリング場や喫茶店も入る新館がオープンし、オーエスとの業務提携を開始、より多様なニーズに応える形で成長しました。

入場者数のピークとその後



特に1958年には約50万人の入場者を記録し、ライオンカンの黄金時代が訪れました。しかし、映画産業全体の変化やシネマコンプレックスの登場により、徐々に観客数は減少していきました。最終的に、1999年11月5日に閉館が決定され、77年にわたる歴史に終止符を打ちました。この閉館は、地元の映画文化にとって大きな損失となったと言えるでしょう。

現在のライオンカン



現在、ライオンカンの名前は、同館が所在した通り（ライオン通り）の愛称として残っているほか、跡地には「アルファステイツライオン館」というマンションが建設されています。これにより、かつての映画館の名は、地域の風景の一部として生き続けています。

年表



このように、ライオンカンは高松市の映画史に深く根付いた存在であり、映画館が持つ文化的な意義を体現していました。その名残は今も地域に息づいています。

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