ライコ・ミティッチ

ライコ・ミティッチについて

ライコ・ミティッチ（1922年11月19日 - 2008年3月29日）は、セルビア（旧ユーゴスラビア）出身の著名なサッカー選手及び指導者です。彼のポジションはフォワードであり、そのキャリアは特にレッドスター・ベオグラードでの活躍が知られています。ミティッチはその卓越したスキルとリーダーシップから、「チカ（おじさん）」という愛称で親しまれました。

初期のキャリア

ミティッチは、ベラ・パランカのドルという小さな村で生まれました。ベオグラードに移り住んでからは、コシュトニャクという森林公園でサッカーを始め、1937年にはコシュトニャククラブに入団しました。翌年にはBSKユースチームに加入し、1940年にはトップチームでのデビューを果たしました。初戦ではなんと5得点を挙げ、その鮮烈な印象を残しました。

しかし、1944年からはベオグラードの爆撃によりサッカーリーグは中断され、ミティッチは第二次世界大戦中にユーゴスラビア人民解放軍に参加することとなります。戦後、彼は再びサッカーの世界に戻ってきました。

レッドスター・ベオグラードでの成功

1945年、ミティッチは新設されたレッドスター・ベオグラードに初代キャプテンとして迎え入れられました。彼はレッドスターでの14シーズンにわたり、5回のリーグ優勝と4回のカップ優勝に寄与しました。1958年に36歳で引退するまでに、ミティッチは572試合で262得点という驚異的な記録を残しました。

ミティッチは試合中のスポーツマンシップに定評があり、ファウルを嫌う姿勢が選手たちに好影響を与えました。しかし、彼の指導力に対する意見は分かれることもありました。特に試合中に選手たちが不適切な行動をした際には、ミティッチが責任を持って選手を厳しく処罰する場面も見られました。

代表キャリア

ユーゴスラビア代表としてのミティッチも特筆すべき業績があります。彼は59試合に出場し、34試合でキャプテンを務めました。代表戦では32得点を挙げ、その中には3度のハットトリックも含まれています。また、オリンピックには2度出場し、銀メダルを2つ獲得。1952年のヘルシンキ大会では7得点を挙げて得点王に輝くなど、その実力を国内外で証明しました。

指導者としての道

ミティッチは1960年からレッドスターのヘッドコーチを6年間務め、その後はユーゴスラビア代表の監督に就任。特に1968年のUEFA欧州選手権で代表チームを準優勝に導いた実績は高く評価されています。

晩年と遺産

彼はその後、スポーツジャーナリストとしても活動し、ベオグラードの新聞や雑誌に寄稿していました。2008年にミティッチはこの世を去りましたが、その功績は今でも多くの人々に語り継がれています。2014年にはレッドスターのホームスタジアムが「スタディオン・ライコ・ミティッチ」に改名されており、彼の名はスポーツ界に永遠に残ることでしょう。

彼の存在は、サッカー界におけるリーダーシップやスポーツマンシップの重要性を強く印象づけています。

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