ライト J65

ライト J65 ターボジェットエンジン

ライト J65は、アームストロング・シドレー社からライセンスを受けたカーチス・ライト社が製造した軸流式ターボジェットエンジンです。このエンジンはイギリス製のサファイヤを原型にしており、1951年からの量産開始にも関わらず、設計変更による遅延があったため、市場での競争において他社製品に後れを取りました。しかし、性能自体は非常に良好で、多数のアメリカ製航空機に搭載されることになりました。

設計と開発の経緯

1950年、カーチス・ライト社は、サファイヤの製造に関するライセンス契約を結びました。開発計画は当初順調に進むかに思えましたが、中央区画の設計変更が影響し、量産開始が2年間遅れました。その結果、J65の販売機会はプラット・アンド・ホイットニー製のJ57に奪われることとなります。

それにもかかわらず、1960年代には複数の機体に搭載され、マーティン B-57 キャンベラ、ノースアメリカン FJ-3 フューリー、ダグラス A-4 スカイホーク、リパブリック F-84F サンダーストリーク、さらに二機のロッキード XF-104 スターファイター試作機などがそのパフォーマンスを高く評価しました。

また、ライト T49として開発されたターボプロップ版のJ65も民間向けに派生型が設計され、1952年には初めて運転されました。街への適用が期待されましたが、最終的には市場から撤退しました。

応用機種

J65エンジンは以下の航空機に搭載されました:

• - ダグラス A-4 スカイホーク

- A-4E/F/MおよびTA-4F/Jは、プラット・アンド・ホイットニーのJ52エンジンを搭載。

• - グラマン F-11 タイガー
• - マーティン B-57 キャンベラ

- RB-57Fはプラット・アンド・ホイットニーのTF33を搭載。

• - ロッキード XF-104

- 量産型はゼネラル・エレクトリックのJ79を採用。

• - ノースアメリカン FJ-3およびFJ-4 フューリー
• - リパブリック F-84F サンダーストリーク/RF-84F サンダーフラッシュ

仕様と性能

J65-Bの一般的な特性は以下の通りです:

• - 形式: ターボジェット
• - 全長: 約122インチ (3098 mm)
• - 直径: 37.52インチ (953 mm)
• - 乾燥重量: 2776ポンド (1259 kg)

構成要素

• - 圧縮機: 13段軸流式
• - 燃焼器: アニュラ型
• - タービン: 2段軸流式

性能

• - 推力: 7239ポンド (32.2kN)
• - 全圧縮比: 7:1
• - 空気流量: 119.05ポンド/秒 (54kg/s)
• - タービン入口温度: 約848℃ (1558°F)
• - 燃料消費率: 約0.916 lb/(lbf·h) (25.9 g/(kN·s))
• - 推力重量比: 2.61

このように、ライト J65エンジンはその設計の背景とともに、アメリカの多くの航空機の中心的存在となりました。市場の競争も厳しい中、確固たる信頼性と性能から長年にわたり利用されました。

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