ライノ (マーベル・コミック)

ライノ (Rhino) の紹介

ライノは、スパイダーマンシリーズにおける著名なスーパーヴィランの一人であり、その特徴的なサイのようなアーマードスーツを身にまとった巨漢として知られています。彼は驚異的な力を持ち、突進や鋭い角を活かして戦うスタイルが特徴です。

原作漫画におけるライノ

ライノの本名はアレクセイ・シツェビッチ（Aleksei Mikhailovich Sytsevich）で、彼はロシアの貧しい地域に生まれ育った青年です。知識に乏しかったアレクセイは、ギャングに雇われて用心棒として働いていましたが、自身の欲望を満たすことはできずにいました。そんな彼の運命が変わるのは、外国のスパイグループによって新しいアーマードスーツの実験に選ばれた時です。

彼は契約金として1万ドルを受け取り、身体を巨大化するための化学処置や放射線照射、さらには極薄の人工皮膚を移植する手術を受けることを決断しました。この痛みを伴う手術の結果、ライノはほとんどのダメージを受けない外殻を得ることになり、そのことで体力やスタミナ、耐久力が飛躍的に向上しただけでなく、知力もわずかに強化されました。力を手に入れたライノは、スパイたちの命令から解放されたことに満足し、施設からの脱走を果たします。

最初のスパイダーマンとの遭遇は、宇宙飛行士ジョン・ジェイムソンの誘拐事件の際であり、そこでライノはスパイダーマンと対決します。スピードや戦略に優れたスパイダーマンに敗れたライノは、その後も何度も彼と対峙する運命にあります。特に1966年に発行されたアメイジング・スパイダーマン第41号で初めて登場し、以降、グリーンゴブリンやドクター・オクトパスなどと共にスパイダーマンの強力な敵として君臨しました。

仲間との連携

1986年発行のアメイジング・スパイダーマン第280号では、ライノは自身の限界を理解しハイドロマン、ブーメラン、ビートルと共に「シニスター・シンジケート」というグループを結成し、再びスパイダーマンに挑みます。また、2010年のスパイダーマン: ビッグ・タイムでは、ドクター・オクトパスや他の強敵と共に「シニスター・シックス」を結成し、架空の犯罪組織としてさらに力を増します。

その後、アメイジング・スパイダーマン第617号では、オクサナという女性と出会い、結婚を考えながら引退を目指していました。しかし、新たなライノの出現によりオクサナは命を落とすこととなり、自暴自棄になったライノは再び犯罪の道に戻ってしまいます。

実写映画版とアニメ

ライノは実写映画版でも登場し、『アメイジング・スパイダーマン2』ではポール・ジアマッティが演じる役割として認知されています。ロシア出身の過激派として登場し、その後サイのようなロボットスーツでスパイダーマンに立ち向かっています。また、アニメ版でも数多くの声優によってライノが表現され、1960年代から2020年代にかけて様々なバリエーションのライノが描かれています。

ゲームへの登場

ライノは多数のスパイダーマン関連のゲームにも登場しています。PS版のスパイダーマンではディー・ブラッドリー・ベイカーが声を担当し、他にも様々なプラットフォームにおいて彼の登場シーンが描かれています。

ライノの物語は、力と知識の獲得を求めて生まれたサイボーグ的存在による壮絶な戦いと、自己の選択によるさまざまな運命を感じさせるものであり、スパイダーマンシリーズの魅力の一部を形成しています。

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