ライヒリング

ライヒリング (Reichling)

ドイツ連邦共和国バイエルン州オーバーバイエルン行政管区に属するライヒリングは、ランツベルク・アム・レヒ郡にある基礎自治体です。この町は、近隣自治体と共にライヒリング行政共同体を形成しています。地理的にはミュンヘン地方に区分されます。

地理と行政区画

ライヒリングは公式には五つの地区から構成されています。そのうち、主要な集落としては、ライヒリング、ギンメンハウゼン、そしてルーデンハウゼンが挙げられます。ルーデンハウゼンは、ライヒリングの中心部から南へおよそ3キロメートル離れた場所に位置しており、海抜736メートルという標高はランツベルク・アム・レヒ郡内で最も高い地点に相当します。このルーデンハウゼン集落の中央にある高台には、歴史ある聖ペテロ＝聖パウロ教区教会が建っています。

歴史的背景

ライヒリングの地には古くから人が居住しており、発掘調査からはローマ時代の遺跡が確認されています。当時、近隣の重要な入植地であったエプファッハ（現在のデンクリンゲンの一部）から伸びるローマ街道が、レヒ川の浅瀬を通って現在の町域を東西に貫いていました。ローマ帝国の支配が終わった後、5世紀頃にはアレマン人の一族がこの地域に入植しました。彼らの一員であるリヒロ（Richilo）を中心とした集団が、現在のライヒリングの村を築いたと考えられています。

一方、ルーデンハウゼンは、中世初期に最初の発展期を迎えています。13世紀になると、ヴィッテルスバッハ家がこのレヒライン地方の支配を強化し、ルーデンハウゼンはランツベルク地方裁判所の管轄下に置かれました。ライヒリング自体は、当初ラウヘンヘンレヒスベルク保護裁判所に属していましたが、その後、ランツベルク、ショーンガウ、ヴァイルハイムといった他の地方裁判所へとその所属を変遷させていきました。

バイエルン王国における一連の行政改革が進められた1818年、市町村令の発布により、ショーンガウ郡に属するライヒリングと、ランツベルク郡に属するルーデンハウゼンがそれぞれ独立した自治体として成立しました。しかし、その後の行政再編によってショーンガウ郡が廃止されたことを受け、1978年にライヒリングはランツベルク・アム・レヒ郡に移管されることになりました。同時に、それまで独立した町村であったルーデンハウゼンがライヒリングに編入合併され、現在のライヒリング町の骨格が形成されました。

人口動向

ライヒリングの人口は、過去数十年にわたり増加傾向を示しています。1970年には1,067人でしたが、1987年には1,272人に増加し、2005年には1,668人に達しています。

行政と社会資本

現在のライヒリングの町長は、キリスト教社会同盟（CSU）に所属するヨハネス・ライス氏が務めています。町の社会資本としては、地域の子供たちが学ぶための国民学校が1校設置されています。

紋章

ライヒリング町の紋章は、町の歴史、地理、そして地域の信仰や人物に由来する象徴的な要素を含んでいます。

紋章の上部、青地の部分には、金の鍵と金の剣が斜めに交差して描かれています。これらは、ルーデンハウゼンの教区教会の守護聖人である聖ペテロと聖パウロを象徴しています。

紋章の下部、銀地の部分には、緑色の三峰の山が配されています。この三つの峰は、ライヒリングの麓にあるヴルツベルク、ケルト時代の砦跡が残るイッシング高地、そしてかつての保護裁判所の名に含まれる「山」（Berg）を指すラウヘンレヒスベルクという、町を取り巻く地理的・歴史的な特徴を示唆しています。この三峰の山の上には、赤いユニコーンの半身が描かれています。このユニコーンは、18世紀半ば（1739年から1759年）にエッタール修道院長を務めたベネディクト・パッヒャーの紋章に由来するものです。彼はライヒリングの出身であり、その功績を称える意味が込められています。

これらの要素が組み合わさることで、ライヒリングの歴史と文化、そして地域とのつながりを物語る紋章となっています。

もう一度検索