ライヴ・イン・ニューヨーク・シティ

『ライヴ・イン・ニューヨーク・シティ』

『ライヴ・イン・ニューヨーク・シティ』（原題: Live in New York City）は、1986年にリリースされたジョン・レノンのライブアルバムです。このアルバムは、1972年8月30日に行われた「ワン・トゥ・ワン」コンサートの音源を収録しています。この公演は、ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンで行われ、ジョン・レノンとその夫人であるオノ・ヨーコが共演しました。当日は午後と夜の二回にわたって行われ、あわせて多くの観客の前でパフォーマンスが繰り広げられました。

これはビートルズ解散後、ジョン・レノンが数少ないライブを行った貴重な記録であり、実質的には1966年にビートルズがライブ活動を中止して以来、ジョンにとっての最後のフルライヴとなりました。当日は、オノ・ヨーコも数曲を歌唱し、彼女のエネルギッシュなスタイルがステージを飾りましたが、アルバムの編集過程で彼女のソロパートや叫び声はカットされ、ジョンのパフォーマンスに焦点が当てられています。

このアルバムには、以下の名曲が収録されています。サイド1には「ニューヨーク・シティ」、「イッツ・ソー・ハード」、「女は世界の奴隷か!」、「ウェル・ウェル・ウェル」、「インスタント・カーマ」が含まれています。サイド2には「母」、「カム・トゥゲザー」、「イマジン」、「冷たい七面鳥」、「ハウンド・ドッグ」、そして「平和を我等に」が収録されています。これらの曲はジョン・レノンの音楽活動を象徴する名作であり、当日のパフォーマンスによって新たな命を吹き込まれています。

また、同名のビデオもリリースされており（邦題『ジョン･レノン・ライヴ』）、この映像では、ジョンがミリタリーシャツ姿で登場し、青い丸形サングラスをかけてギブソン・レスポール・ジュニアや電気ピアノを演奏する様子が収められています。このビデオには、オノ・ヨーコの楽曲「シスターズ・オー・シスターズ」や、彼女の叫び声も収録されており、二人の独特なコラボレーションが感じられる内容となっています。

1992年には、スティーヴィー・ワンダーなど他のアーティストの演奏を含む、テレビ放映用に編集されたビデオが発売されましたが、どちらのビデオも現在はDVD化されていません。なお、日本では21世紀に入ってから、衛星放送で何度かこのパフォーマンスが放送されています。

2023年現在、本作の音源盤は廃盤となっており、配信やストリーミングサービスでも手に入れることができません。ジョン・レノンの音楽を愛するファンにとって、このアルバムは貴重な聴き物であり、彼のアーティストとしての才能を再確認するための重要な作品として位置づけられています。

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