ラウム (悪魔)

ラウム（Raum, Ralm）またはライム（Raim, Raym）は、悪魔学において重要な位置を占める悪魔の一柱です。特に『ゴエティア』においては、30の軍団を率いる序列40番の地獄の大いなる伯爵として記述されています。

姿と能力

ラウムは通常、召喚者の前にカラスの姿で現れるとされています。しかし、召喚者の望みに応じて人間の姿を取ることも可能です。彼の能力は非常に多岐にわたり、王侯の屋敷から財宝を盗み出し、望む場所へと移動させることができます。また、都市を破壊するほどの力を持つとも言われています。さらに、人の尊厳を著しく貶めることも可能であると伝えられています。

ラウムは情報に関しても特別な力を持っており、過去・現在・未来に関する知識を召喚者に教えることができるとされています。また、敵対する者同士を和解させる能力も持つと言われています。この能力は、政治的な策略や個人的な紛争解決において、非常に価値のあるものと見なされていました。

ゴエティアにおける記述

『ゴエティア』におけるラウムの記述は、彼の性格と能力を理解する上で重要な情報源となります。彼は強大な力を持つ伯爵であり、その力は物質的なものから精神的なものまで、多岐にわたります。彼の召喚は、慎重に行われるべきであり、召喚者はラウムの力を十分に理解し、適切に扱う必要があります。

補足

ラウムに関する情報は、様々な文献に散見されます。草野巧の『幻想動物事典』や山北篤、佐藤俊之の『悪魔事典』などの書籍には、ラウムに関する記述が含まれています。また、Johann WeyerのPseudomonarchia Daemonumや、S.L. MacGregor MathersとAleister CrowleyによるThe Lesser Key of Solomonなどの文献も、ラウムについてより深く知るための参考となります。

これらの文献を通じて、ラウムは単なる悪魔ではなく、複雑な性格と多様な能力を持つ存在として理解することができます。彼の力は、破壊と創造、紛争と和解など、相反する要素を内包しており、その召喚は常に注意深く検討されるべきです。

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