ラガールカード

ラガールカードとその後継カード

ラガールカードは、1989年に阪急電鉄、阪神電気鉄道、神戸高速鉄道が共同で発行したプリペイド式乗車カードです。その名称はフランス語の「La gare（駅）」に由来しています。このカードは、当初はストアードフェアシステム対応カードとして設計されていましたが、自動改札機の未対応のため、購入や精算専用でした。

発売当初の特徴

1989年に導入されたラガールカードは、発売当初から自動券売機での乗車券購入に利用できました。自動改札機への対応は、1992年4月からすべての阪急駅で一斉に開始され、その時点でこのカードは日本で二番目の自動改札機対応カードとなりました。

カードのデザインは、初期には破壊感熱式の磁気面を持ち、銀色の光沢が特徴でした。また、券売機で発行されたカードには、赤や青などのカラーバリエーションがありました。カードには印字スペースが21回分あり、そのスペースが満杯になると新しいカードが発行される仕組みでした。

進化と運用

1994年には能勢電鉄が同様のシステムを採用し、パストラルカードとの共通利用が可能になりました。また、同じ年に京浜急行電鉄が発行したルトランカードもラガールカードのシステムを参考にしており、相互に影響を与え合いました。

1996年3月には、阪神電気鉄道や大阪市交通局など5社の協力によって「スルッとKANSAI」が開始され、これによりラガールカードは使いやすさが増しました。残額が初乗り運賃未満でも入場できるようになったことで、より多くの利用者に受け入れられました。

スルッとKANSAI以降の状況

スルッとKANSAI導入後、ラガールカードの仕様にはいくつかの変更が加えられました。新たな磁気面デザインは、灰色に変更され、偽造防止策として23個の突起が追加されました。1999年には神戸高速鉄道でもラガールカードの販売が開始され、利用可能な駅が増加しました。

現代の移行と新カード

2017年3月にラガールカードの販売が終了し、2018年1月には自動改札機での取り扱いも終了しました。同年4月からは、阪急電鉄、阪神電気鉄道、能勢電鉄、北大阪急行電鉄の4社が共通の「阪急 阪神 能勢 北急レールウェイカード」を発行し、新しい時代の交通カードとして利用されました。

この新カードは、2019年まで発行されていましたが、使用の幅に制限がありました。また、ラガールカードを持つ利用者に対する未使用残額の払い戻しも行われており、その期限は2033年まで続く予定です。

結論

ラガールカードは、阪急電鉄や阪神電気鉄道において重要な役割を果たし、多くの利用者に支持された交通手段の一つです。その後継として誕生した「レールウェイカード」は、簡便さと利便性を追求したもので、関西の交通網を支える存在となっています。今後も多くの人々に愛用されるよう、さらなるサービスの向上が期待されます。

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