ラシン92

ラシン92：フランスラグビー界の雄

ラシン92は、フランス・パリ西部近郊ル・プレシ＝ロバンソンに本拠地を置く、トップ14に所属する名門ラグビーユニオンクラブです。1892年の創設以来、フランスラグビー界を牽引してきた歴史と伝統を誇り、数々の栄光を手にしています。

誕生と初期の成功

ラシン92の歴史は、1890年にパリの総合スポーツクラブ「ラシン・クラブ・ド・フランス」のラグビー部門として設立されたことに始まります。そして1892年、スタッド・フランセとの試合で勝利を収め、フランス初の国内選手権で優勝。この勝利は、後のトップ14につながる重要な出来事であり、初代優勝チームとしてブレニュス盾を授与されました。以降、スタッド・フランセらと共にフランスラグビー界を代表するクラブとして発展を遂げました。

プロ化と低迷期

1995年、ワールドラグビーによる選手への報酬制限撤廃とプロ化がラグビー界に大きな変化をもたらしました。ラシン92もその影響を受け、1995-96シーズンには2部リーグに降格。その後、1部リーグ復帰と再びの降格を繰り返すなど、苦しい時期を経験します。経営悪化も重なり、2001年にはラシン・クラブ・ド・フランスから分離、USメトロと合併し「ラシン・メトロ92」と改称しました。

再建とトップ14復帰

不動産王ジャッキー・ロレンゼッティが2006年にクラブを買収すると、状況は一変します。ロレンゼッティ会長の下、クラブは資金力を背景に、アンドリュー・マーティンズ（元ニュージーランド代表）やアガスティン・ピチョット（元アルゼンチン代表）といったスター選手を獲得。2009年にはトップ14復帰という目標を達成しました。その後も、フランソワ・ステイン（元南アフリカ代表）、セバスチャン・シャバル（元フランス代表）、フアン・マルティン・エルナンデス（元アルゼンチン代表）といった世界的な選手を次々と迎え入れ、フランスを代表する強豪クラブへと成長を遂げます。特に、2015年に獲得したダン・カーターの年俸はラグビー界最高額とされ、クラブの地位を不動のものとしました。

ラシン92への改名と新たな挑戦

2014-15シーズン終了後、クラブは名称を「ラシン92」に変更。2015-16シーズンには、ヨーロピアンラグビーチャンピオンズカップで決勝に進出する快挙を達成しました。惜しくもサラセンズに敗れましたが、同シーズンのトップ14ではRCトゥーロンを破り、1990年以来のリーグ優勝を果たしました。その後も、チャンピオンズカップ決勝進出を経験するなど、常にトップレベルで活躍しています。

輝かしいタイトルとスター選手たち

ラシン92は、トップ14優勝6回、2部リーグ優勝3回など、数々のタイトルを獲得しています。また、ピチョット、マーティンズ、カーターといった世界的スター選手に加え、シャバル、ステイン、エルナンデスなど、多くのフランス代表選手や各国代表選手を輩出し、育成してきました。現在も、世界各国から才能ある選手が集まり、チームを支えています。

未来への展望

長い歴史と伝統、そして世界最高峰の選手たちが集うラシン92は、フランスラグビー界を代表するクラブとして、これからもその地位を維持し、更なる高みを目指していくことでしょう。今後の活躍から目が離せません。

歴代所属選手一覧（一部）

アガスティン・ピチョット (アルゼンチン)
アンドリュー・マーティンズ (ニュージーランド)
セバスチャン・シャバル (フランス)
ダン・カーター (ニュージーランド)
フランソワ・ステイン (南アフリカ)
フアン・マルティン・エルナンデス (アルゼンチン)
* 多くのフランス代表選手、各国代表選手

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