ラス

ラス（Lath）について

ラスは、建築や土木工事において利用される特別な金網の一種であり、構造物の強化や仕上げにおいて重要な役割を果たします。金属材料を使用しているため、耐久性も高く、さまざまな現場での使用が可能です。

構造と製造方法

ラスは薄い金属板に特有の切り込みを入れることで作成されます。この切り込みは、一方向に多数施され、その後、直交する方向に引っ張ることで網目が形成されます。このように生成された網目は、エキスパンデッドメタルラスと呼ばれることもあります。ラスの製作方法は比較的簡単で、製品としてのコストを抑えることができる点も大きな利点です。

ラスは、その特性上、適度な凹凸があり、これが工事現場での足場板や防護ネットなどに特に適しています。こうした用途に向けて使用されるものには、「エキスパンドメタル」（Expanded Metals）があり、JIS規格のG3351として規定されています。

また、ラスはモルタル壁の下地としても利用されており、この場合は「メタルラス」（Metal lath）として知られています。このタイプはJISのA5505の基準に準拠して製造され、外壁工事などに幅広く展開されています。特に木造住宅の外壁には例外なく使用されることが多く、耐力を増加させるために効果的です。

ラスの施工

ラスを施工する際には、一般的に壁面や法面に対してホチキスやピンでしっかりと固定します。これにより、ラスは確実に所定の位置に保たれ、後工程で施される塗装や仕上げ工事の基盤として機能します。この固定作業は「ラスを張る」または「ラス張り」と表現されます。

種類

ラスには、金属板に切り込みを入れたメタルラスのほか、針金を編み込んで編成したワイヤーラス（Wire Lath）も存在します。このタイプはJISのA5504に規定され、様々な用途に対応可能です。ワイヤーラスは特に軽量で柔軟なため、狭い場所や不規則な形状の面にも適用しやすく、施工の自由度が高くなります。

まとめ

ラスは建築工程における非常に重要な材料であり、外壁などの構造を支え、強化するための基盤を提供します。その特性や施工方法、種類などについて理解を深めることで、より効果的にラスを活用することができるようになります。建築や土木工事の現場では、ラスがもたらす利点を活かして、安全で耐久性の高い構造物を構築することが可能となります。

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