ラスカルズ(The Rascals)
ラスカルズは、2000年代後半にイギリス、
イングランドで活動したロックバンドです。短い活動期間ながら、特にバンドの中心人物であったマイルズ・ケインが後に著名なキャリアを築いたことで知られています。このバンドは、かつて「リトル・フレイムズ(Little Flames)」というバンドで活動していた3人のミュージシャンが集まる形で結成されました。
概要・来歴
バンドの起源は、リトル・フレイムズの解散後に遡ります。ボーカルとギターを担当したマイルズ・ケイン、ベーシストのジョー・エドワーズ、そしてドラマーのグレッグ・ミグホールの3人は、新たな
音楽的探求のためにラスカルズとしての活動を開始しました。彼らは結成後、積極的にライブ活動を展開し、そのパフォーマンスは次第に注目を集めるようになりました。
2007年には、バンドにとって最初の公式リリースとなるEP『Out of Dreams』を発表しました。この作品を通じて、彼らのロックサウンドの一端が示され、今後の活動への期待が高まりました。翌2008年には、さらにセカンドEP『Suspicious Wit』をリリースし、デビューアルバムに向けた布石を打ちました。
そして2008年、ラスカルズは待望のファーストかつ唯一のフルレングス・アルバムとなる『Rascalize』をリリースしました。このアルバムはUKオフィシャル・アルバム・チャートで最高100位を記録しました。彼らのロックサウンドが収められたこの作品は、バンドにとって最初で最後のスタジオレコーディング作品となりました。
しかし、アルバム発表後も活動を継続したものの、バンドは長くは続きませんでした。
2009年8月には、正式に解散を発表。結成から約2年余りという、比較的短命なバンドとなりました。
メンバー
ラスカルズは、以下の3人のメンバーで構成されていました。
マイルズ・ケイン (Miles Kane):バンドのリード・ボーカルとギターを担当し、中心的なソングライターでもありました。
ジョー・エドワーズ (Joe Edwards):ベーシストとしてバンドのボトムを支えました。
グレッグ・ミグホール (Greg Mighall):ドラマーとしてバンドのリズムセクションを担いました。
解散後の活動
バンド解散後、メンバーはそれぞれの道を歩みました。中でも、フロントマンであったマイルズ・ケインは特にその後のキャリアで大きな成功を収めています。彼は、イギリスの人気バンド「
アークティック・モンキーズ(Arctic Monkeys)」のフロントマンであるアレックス・ターナー(Alex Turner)と共に、プロジェクト「ラスト・シャドウ・パペッツ(The Last Shadow Puppets)」を結成しました。彼らのファーストアルバムは全英アルバムチャートで1位を獲得するなど、商業的・批評的にも高い評価を受け、マイルズ・ケインはソロアーティストとしても確固たる地位を確立しました。
ディスコグラフィ
ラスカルズが公式にリリースした作品は以下の通りです。
アルバム
『Rascalize』 (2008年) - UKチャート最高100位
EP
『Out of Dreams』 (
2007年)
『Suspicious Wit』 (2008年)
外部リンク
ラスカルズに関する情報は、かつて存在した
Myspaceページや、世界的な
音楽データベースである
Discogs(英語サイト)などで確認することができます。
短い期間での活動でしたが、ラスカルズは彼らのロックサウンドと、特に中心人物であるマイルズ・ケインのその後の活躍へと繋がる重要な一歩として、記憶されるバンドと言えるでしょう。