ラスト、コーション

映画『ラスト、コーション』の概要

『ラスト、コーション』（原題: 色・戒）は、2007年に公開されたアン・リー監督による映画です。本作は、アイリーン・チャンの短編小説「色・戒」を基にしており、場所は第二次世界大戦中の香港と上海に設定されています。この映画は、特務機関員の暗殺計画を巡って展開する物語であり、愛と翻弄が織りなす緊迫したドラマが魅力です。

この作品は、第64回ヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞と金オゼッラ賞（撮影賞）の2つの prestigious な賞を受賞しました。また、第44回金馬奨でも最優秀作品賞や最優秀監督賞、最優秀主演男優賞（トニー・レオン）など、数々の賞を獲得しています。特に本作はその激しい性描写に注目を集め、アメリカではNC-17指定、日本ではR-18指定、さらに中国では短縮版が公開されている点も話題です。

ストーリーの概要

物語は1938年、日中戦争の最中、中国本土で混乱する中、女子大学生・王佳芝（ワン・チアチー）が友人に誘われて抗日運動に参加するところから始まります。彼女は、抗日活動を行う学生劇団に参加し、次第に自らも地下工作員として活動することを決意します。彼女は、特務機関員の易（イー）を暗殺する任務を背負い、彼に接触を試みるものの、工作員としての未熟さから暗殺は失敗に終わります。

その後、3年が経過し1942年、王佳芝は再び特務機関の中心人物である易の暗殺を狙う工作員として選ばれます。特訓を経て再度易に接触する佳芝ですが、次第に彼に対する心情が変わっていきます。彼女は、激しい性愛を交わすうちに、特務機関員としての孤独感に悩む易に魅かれていくのです。このように敵対する関係にありながらも芽生える感情が、物語の中心的なテーマとなっています。

キャスト

本作のキャストには、トニー・レオン（易役）やタン・ウェイ（王佳芝役）を始め、多彩な役者が揃っています。特に、トニー・レオンが演じる易は、層の深いキャラクターとして観客に強い印象を与えています。また、タン・ウェイは王佳芝を魅力的に演じ、観る者の共感を呼び起こします。

総括

『ラスト、コーション』は、愛と裏切り、葛藤という普遍的なテーマを魅力的に描いた作品です。観客は、歴史的背景の中でも人間関係の複雑さに心を揺さぶられ、物語に没入することでしょう。アン・リー監督による美しい映像と緻密な演出が魅力の本作は、映画ファン必見の作品です。

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