ラスト・ネヴァー・スリープス

ラスト・ネヴァー・スリープス

『ラスト・ネヴァー・スリープス』（Rust Never Sleeps）は、アメリカの著名なシンガーソングライター、ニール・ヤングが1979年にリリースしたスタジオ・アルバムです。本作は、ニール・ヤングと彼のバンド「クレイジー・ホース」との共同制作によるもので、前作『ズマ』から4年ぶりのコラボレーションとなっています。

アルバムの背景と意義

1970年代後半、音楽シーンにはパンク・ロックが台頭してきており、ニール・ヤングもその流れを反映するような音楽を作り上げました。『ラスト・ネヴァー・スリープス』は、アルバムの前半部分がアコースティック・ギターによる弾き語り形式で構成されており、後半はバンドに伴われたエレクトリックな演奏に移ります。このように、アコースティックとエレクトリックを融合することで、彼の音楽の幅広さや進化を示しています。

トラックリストの紹介

本アルバムには、いくつかの印象的なトラックが収められています。以下はその収録曲のリストです：

1. マイ・マイ、ヘイ・ヘイ (アウト・オブ・ザ・ブルー) - 「My My, Hey Hey」
2. スラッシャー - 「Thrasher」
3. ラマに乗って - 「Ride My Llama」
4. 優しきポカホンタス - 「Pocahontas」
5. セイル・アウェイ - 「Sail Away」
6. パウダーフィンガー - 「Powderfinger」
7. ウェルフェアー・マザー - 「Welfare Mothers」
8. セダン・デリヴァリー - 「Sedan Delivery」
9. ヘイ・ヘイ、マイ・マイ (イントゥ・ザ・ブラック) - 「Hey Hey, My My」

これらの楽曲には、ヤング特有の深い歌詞とメロディーが溢れており、特に「マイ・マイ、ヘイ・ヘイ」は今なお多くのアーティストにカバーされる名曲です。「優しきポカホンタス」や「パウダーフィンガー」などでは、彼の社会的メッセージが色濃く現れており、深い感慨を与えます。

音楽的スタイルと影響

アルバム全体を通して、ニール・ヤングは自身の音楽スタイルをしっかりと確立させながらも、新しい潮流を受け入れる姿勢を見せています。アコースティックとエレクトリックの対比は、彼のキャリアにおける多面性を象徴しています。特に、アコースティック・バージョンの楽曲における素朴さとエレクトリックなパートの力強さが共存し、聴く者に強い印象を残します。これにより、彼はただのフォークロックアーティストに留まらず、新しい世代の音楽にも挑戦する姿勢を持つアーティストとしての地位を確立しています。

評価

『ラスト・ネヴァー・スリープス』は、その芸術的価値が高く評価されており、アメリカの音楽雑誌『ローリング・ストーン』が発表した「オールタイム・ベストアルバム500」でも296位にランクインを果たしました。このランクインは、アルバムが音楽史において持つ重要性を物語っています。

このように、ニール・ヤングの『ラスト・ネヴァー・スリープス』は、単なるアルバムに留まらず、時代を超えて語り継がれる作品となっており、多くのファンにとって永遠の名盤であることは間違いありません。

もう一度検索