ラッキースケベ

ラッキースケベとは

「ラッキースケベ」とは、主に日本の少年漫画や少年向けアニメに登場する表現で、主人公の少年が偶然の出来事によって女性の素肌に触れたり、通常は見ることができないはずの場面を目撃してしまったりする状況を指します。

この言葉は、現実世界における同様の状況を端的に表現するために用いられます。

概要

サイバードのウェブマガジン「numan」によれば、ラッキースケベは、当事者がスケベな性格の場合には該当しないとされています。つまり、自ら積極的に求めた結果ではなく、あくまで偶然の産物であることが重要な要素です。また、少女漫画では稀にしか見られず、BL漫画では起こり得る現象とされています。

「ラッキースケベ」という表現が最初に用いられた時期は定かではありませんが、アニメ作品においては、2004年放送の『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』が初期の例として挙げられます。

今日では、個人が特定のシーンを指して「ラッキースケベ」と表現するだけでなく、作品の紹介記事やニュースサイトなど、公の場でも用いられることがあります。また、ラ行変格活用のように動詞として使用されたり、企業が制作する作品のタイトルに採用されたりする例も見られます。

近年では、セクハラを形容する言葉として、あるいはラブコメ作品における体質的な要素として扱われることもあります。さらに、コスプレイヤーやグラビアアイドルの魅力的な姿を紹介する際に用いられることもあり、その用法は多岐にわたります。

2016年には、漫画『ゆらぎ荘の幽奈さん』のキャラクター表現を巡る論争において、弁護士やジャーナリストが私見を述べる際に「ラッキースケベ」という言葉が用いられ、それが報道されるという事例もありました（詳細はゆらぎ荘の幽奈さん#論争を参照）。

弁護士の太田啓子は、この件に関して、「仮にアクシデントであっても、女性が意に反して裸や下着を見られてしまうのは性被害である」と指摘し、「性被害を『エロいシーン』として描くことは、性被害の認識を矮小化させる行為だ」と批判しています。

また、2020年12月に配信されたドラマ『快感インストール』における「ラッキースケベ」という描写についても、「同意のない性的接触を娯楽として誰でも見られる媒体で発信することは、現実の性暴力被害を軽視する感覚を形成、助長することに繋がりかねない」と厳しく批判されています。

このように、「ラッキースケベ」という言葉は、単なるフィクションにおける表現としてだけでなく、社会的な問題提起を含む文脈で使用されることもあります。

関連項目

サービスカット
女難

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