ラトック

ラトック山群（Latok Group）

ラトック山群は、パキスタンのカラコルム山脈の中心部、特にパンマー・ムズタークに位置する、険しい岩の峰々から成る風光明媚な地域です。この山群は、オーガ山群の東側に位置し、その南方にはカラコルムの代表的な氷河、ビアフォー氷河の支流であるバインター・ルクバル氷河が流れており、北側にはチョクトイ氷河が存在します。標高の高いラトック山群は、厳しい登山条件から世界中の冒険者にとって魅力的な登攀対象となっています。

山の概要

ラトック山群には、主に4つの峰があり、それぞれが技術的な難易度が高く、多くの登山者による数々の試みが行われてきました。以下に各峰の位置、高度、初登頂年を示します。

• - ラトック 1峰: 北側中央、7,145m、1979年
• - ラトック 2峰: 西、7,108m、1977年
• - ラトック 3峰: 東、6,949m、1979年
• - ラトック 4峰: 北端、6,456m、1980年

ラトック 1峰の登山史

ラトック 1峰は、1975年に日本山岳会の原真が率いるチームが初めて挑戦しましたが、1峰と3峰の間にあるクーロワールで困難に遭遇し、登頂を果たすことができませんでした。

1979年には、再度日本の登山隊が挑戦し、高田直樹が率いるチームが1峰の初登頂に成功しました。彼らは、クーロワールを経由して南壁のバットレスを登り、初めてその頂に立ちました。元々この登山許可は英国隊にも与えられていましたが、危険を感じてキャンセルしたため、日本隊がその機会を掴むことができたのです。これ以降、ラトック 1峰は数多くの挑戦を受けてきましたが、依然として容易に登れる山ではありません。

ラトック 2峰とその登攀

続いて、ラトック 2峰は1977年に最初の登頂があり、アルツーロ・ベルガマスキが率いるイタリア隊が南面からその頂に到達しました。これがこの山群における初の登頂となりました。特に1997年には、アレキサンダー・フーバーたちのチームにより、垂直の西壁を登攀し、難しいルートを経て再び登頂が果たされました。

ラトック 3峰

ラトック 3峰は、1979年に寺西洋司を隊長とする日本隊が南西稜を経由し、初登頂に成功しました。同じルートからの第二登は1988年に行われ、イタリア隊によって達成されました。

ラトック 4峰

ラトック 4峰は、1980年に日本の山学同志会によって初めて登頂されました。大宮求が隊長を務め、夏の暑さの中でさまざまな状況を乗り越え、ついにその頂にたどり着きました。しかし彼らもまた、下降中の事故に見舞われ、苦難を伴う結果となったことを留意しておく必要があります。

まとめ

ラトック山群は、その厳しい自然条件と高い技術的要求から、多くの登山者にとって夢のような目的地です。歴史的な登山挑戦が繰り広げられ、その中で冒険者達が直面した挑戦と苦難のエピソードは、今も多くの登山者の心に留まり続けています。ラトック山群は、ただの山々だけでなく、人々の心を動かす冒険の舞台であるといえるでしょう。

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