ラバーズ7

ラバーズ7（ラバーズセブン）

『ラバーズ7』は、犬上すくねが描くラブコメ漫画で、2002年から2007年まで『月刊サンデーGENE-X』に連載されました。全7巻で構成される本作は、特に卓球をテーマにしたストーリーが魅力です。略称は「ごむなな」で、意味は卓球ラケットに使うゴムに由来しています。

作品の概要

物語の舞台は、横浜・伊勢佐木町にある雑居ビル「東ノ本ビル」です。このビルの1階にはコンビニ「ラバーズ7・伊勢佐木町店」が、2階にはカラオケボックス、3階には卓球場があり、元々は暴力団「東ノ本組」の事務所でした。オーナーの東ノ本宗則が経営するこのビルでは、全てのトラブルを卓球勝負で解決するという独自のルールが設けられています。

主人公である高校1年生の添野なつきは、ある日万引き（実際は濡れ衣）の罪で卓球勝負をします。ここで彼女は、元卓球部員の宗則に声をかけられ、ラバーズ7でのアルバイトを勧められます。この出会いが、なつきと宗則、そしてアルバイトの男子高校生森岡ひろみとの複雑な三角関係の始まりとなるのです。

登場人物

添野なつき（そえの なつき）

主人公である高校生。小柄で内向的な性格ながらも、物語を通じて心を開いていきます。母親に対する複雑な感情を抱いており、彼女との関係が物語の中核となります。

森岡ひろみ（もりおか ひろみ）

高校2年生で、なつきと同じ学校に通う男子。宗則の策略により、ラバーズ7でバイトをすることになり、次第になつきに惹かれていきます。卓球の腕前も徐々に成長し、物語の中で重要な役割を果たします。

東ノ本宗則（とうのもと むねのり）

32歳の暴力団の組長であり、ラバーズ7のオーナー。恋愛に戸惑う姿を見せつつも、なつきに対する気持ちを深めていきます。卓球の技術も非常に高く、勝負を通じて自らの成長をも示します。

スー / 須賀淳也（すが じゅんや）

女性に性自認をもつトランスジェンダーのホステスで、宗則に恋心を抱いています。高校時代の宗則との親友関係が物語に彩りを加えます。

東ノ本しえ（とうのもと しえ）

宗則の姉で、東ノ本ビルの所有者。弟をからかう一方、物語における重要な役割を果たします。

小林たまき（こばやし たまき） / 添野たまき（そえの たまき）

なつきの母親で、過去に宗則と関係があった。彼女の生い立ちや過去の恋愛が、なつきの心情に影響を与えます。

物語のテーマとスタイル

『ラバーズ7』は、卓球という一見無関係なスポーツを通じて、人間関係や恋愛の葛藤を描いています。登場人物たちが卓球を介して交わすやり取りや、勝負を通じて変化する心情が、物語全体を通じて重要な要素となります。また、各エピソードには映画や楽曲のタイトルをもじったサブタイトルが付けられており、漫画の独自の魅力を引き立てています。

作品は心温まる場面やユーモア、美しいキャラクターデザインが非常に魅力的で、広がりを持った物語が展開されています。全体的に見たときに、恋愛と競技が見事に融合し、読者を惹きつけるストーリーが展開される作品です。

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