ラファエル・クルス

ラファエル・P・クルス

ラファエル・P・クルス（Rafael P. Cruz、1977年5月19日生まれ）は、ドミニカ共和国出身の元プロ野球選手で、主に投手として活躍しました。彼の野球キャリアは多様で、捕手として始まりましたが、最終的には投手へと転身しました。

プロ入りと初期のキャリア

1995年の12月、クルスはテキサス・レンジャーズと捕手として契約し、プロの道を歩み始めました。彼の初年度はルーキークラスでの挑戦で多くの試合に出場しましたが、打率.233、1本塁打、7打点といった成績は彼にとって満足のいくものではありませんでした。この後も期待外れの成績が続き、1998年にはA級リーグでの試合でもわずか.065という打率に終わり、プロ選手としての未来が危ぶまれました。

2000年にはレンジャーズを自由契約となり、その後は長い間姿を消しましたが、彼は静かに捕手から投手へのコンバートを試みることになります。そして2006年には、中央アメリカ・カリブ海競技大会で投手として出場し、才能が再評価されるきっかけとなりました。

中日ドラゴンズでの成功

2007年にクルスは中日ドラゴンズと育成契約を結び、日本球界でのキャリアをスタートしました。オープン戦では注目を集め、開幕後は二軍のクローザーとしてチームに貢献します。彼は1勝10セーブ、防御率0.75という素晴らしい成績を残し、6月27日には支配下選手として正式に登録されました。

特に7月28日の試合でのパフォーマンスは印象的でした。東京ヤクルトスワローズ戦での登板時に、彼は1回を三者凡退に抑えると、その後中日が逆転し、初勝利を挙げました。2007年シーズンでは17試合に登板し、防御率は2.66という結果を残し、チームに53年ぶりの日本一に大きく貢献しました。

ケガとその後

2008年には期待されるセットアッパーとしてシーズンを迎えましたが、オープン戦でのケガが彼のキャリアに影を落とします。右ひじの靱帯を損傷し、シーズン復帰は難しいとの見解が示された彼は、最終的に7月に自由契約となりました。

その後、クルスは2009年にアトランタ・ブレーブスと契約し、AAA級での成績も良好でしたが、長くは続かず8月10日に再度自由契約となります。以降は、2013年から2014年までドミニカ・ウィンターリーグでプレーしました。

投手スタイル

クルスは、そのどっしりとした体格と156km/hを超える速球を武器にしていました。彼の投球スタイルは、急速ストレートに加えて高速スライダーやスプリットを使用する巧みなもので、多くの打者を打ち取る力を誇りました。

彼のプロ野球選手としての生涯は多くの困難に満ちていましたが、それを乗り越えた彼の姿勢は、今も多くのファンに支持されています。

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