ラブとピースは君の中

日本の4人組バンド、Official髭男dismが手掛けた通算1枚目となるミニアルバムのタイトルが『ラブとピースは君の中』（読み：ラブとピースはきみのなか）である。本作は2015年4月22日にラストラム・ミュージックエンタテインメントから発売された。

この作品は、バンドにとってキャリア初となる全国流通盤として世に送り出された点で特筆される。それまで自主制作という形で音楽活動を行ってきた彼らが、より広いリスナーに向けて作品を発表する契機となったアルバムである。

アルバムは全8曲で構成されている。収録曲の大部分は、本作のリリースに先立って自主制作盤として発表されていた楽曲群から選ばれている。具体的には、それ以前にリリースされた自主制作ミニアルバム『SWEET TWEET』や自主制作シングル『愛なんだが･･･』に収められていた楽曲が含まれている。

本作に収録された楽曲の中で、唯一このアルバムのために新たに制作された、いわゆる新曲は『恋の前ならえ』である。他の7曲は自主制作盤からの再録または選曲という形が取られている。

興味深い点として、自主制作盤に存在しながらも本作には収録されなかった楽曲も存在する。例えば、自主制作盤に収められていた『夏模様の猫』は、『ラブとピースは君の中』には含まれていない。この楽曲は後に、2020年にリリースされたEP『HELLO EP』に改めて収録されることとなった。

アルバムのプロモーションに関連する動きとして、リリース後には映像作品も制作された。2015年12月30日には、本作の収録曲をまとめて紹介するミュージックビデオが公開されている。また、アルバムのリリースに先駆けて公開されたティザー映像には、モデルやタレントとして活動する古関れんが出演し、注目を集めた。

『ラブとピースは君の中』は、Official髭男dismが全国的な認知を獲得していく上で最初のステップとなった作品であり、自主制作時代から培ってきたバンドサウンドとソングライティングの一端を示す重要な一枚と言えるだろう。

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