ラブリーボーン

『ラブリーボーン』

『ラブリーボーン』（原題：The Lovely Bones）は、2009年に公開されたアメリカ、イギリス、ニュージーランドの合作映画で、2010年に日本でも上映されました。原作はアリス・シーボルドの小説『ラブリー・ボーン』です。この作品は、愛や喪失、復讐をテーマにした深い感情がこもったストーリーを展開しています。

ストーリー概要

この物語は1973年12月、雪が降るある日から始まります。14歳のスージー・サーモンは、帰宅途中にトウモロコシ畑の地下に隠れ家を作り、そこでの安全を願うあまり、悪事を働く近所の男ハーベイに囚われ、命を奪われてしまいます。悲劇的な運命に葬られたスージーは、天国から愛する家族や友達、そして自分を殺した犯人の行動を見守ります。彼女の視点から語られる物語は、喪失の痛みや心の葛藤が織り交ぜられ、観客には深い印象を与えます。

登場人物

• - スージー・サーモン（演：シアーシャ・ローナン）: 本作の主人公で、天真爛漫で美しい少女です。カメラが好きで、思春期の初恋を抱いています。しかし、彼女は若くして命を奪われ、その後、家族の行動を見守る存在となります。
• - ジャック・サーモン（演：マーク・ウォールバーグ）: スージーの父親で、娘の死後、犯人を探すことに執着しています。彼はスージーの残した写真を手がかりに、必死に真実を追い求めます。
• - アビゲイル・サーモン（演：レイチェル・ワイズ）: スージーの母親で、娘を守れなかったことに対する罪悪感を抱いています。彼女は家族に冷たさを感じ、家を離れる決断をします。
• - リンジー・サーモン（演：ローズ・マクアイヴァー）: スージーの妹で、賢く優等生です。彼女は隣人のハーベイに対し不審な思いを抱き、調査を進めていきます。
• - ジョージ・ハーヴィ（演：スタンリー・トゥッチ）: 物語の中心となる犯人で、表向きは優しげな人物ですが、実は暗い秘密を抱えています。彼は巧妙に警察の捜査をかいくぐり、自己保身に走ります。

製作の背景

この作品の制作には多くのドラマがありました。父親役にはライアン・ゴズリングが最初に配役されていましたが、制作方針の違いから外れることとなり、代わりにマーク・ウォールバーグが起用されることになりました。撮影は2007年の10月にペンシルベニア州とニュージーランドで開始され、当初の全米公開予定日は2009年3月19日でしたが、最終的に同年12月11日に変更されました。

受賞と評価

映画『ラブリーボーン』は、視覚的な美しさと深いテーマ性から多くの批評家に評価されました。また、スタンリー・トゥッチは助演男優賞にノミネートされ、シアーシャ・ローナンも若手俳優賞を受賞しました。その他、多くの映画祭でもノミネートや賞を受賞し、作品としてのクオリティが証明されています。

『ラブリーボーン』は、単なるホラー映画ではなく、愛と喪失、希望と絶望が交錯する感動的な物語です。それは観客に深いメッセージを届け、心に残る作品となっています。

もう一度検索