ランスオブプラーナ

ランスオブプラーナ：逃げ馬の軌跡と惜しまれる引退

2016年3月31日生まれの競走馬、ランスオブプラーナ。その名には、母名の一部であるプラーナに由来する「槍」という意味が込められています。2018年12月の中京競馬場デビュー戦では2着とまずまずのスタートを切り、続く2戦目で初勝利を飾ります。

3歳シーズンは、クラシックへの挑戦を視野に入れ、数々の重賞レースに挑みました。まずはなずな賞で2着。続くきさらぎ賞では、スタートから積極的にハナを奪い、最後の直線までリードを保ちましたが、最後は追い込んできた強豪に交わされ3着に終わりました。しかし、続くアルメリア賞では逃げ切り勝ちで2勝目を挙げ、勢いそのままに挑んだ毎日杯では、再び逃げの戦法で勝利。重賞初制覇を果たし、ケープブランコ産駒としても中央平地重賞初制覇という快挙を達成しました。

しかし、クラシック初戦の皐月賞では、思うような結果を残せず、その後はダートや障害競走にも挑戦しました。障害戦では幾度か好走を見せましたが、平地競走ではなかなか勝ち星に恵まれませんでした。6歳を迎えた2022年、福島民報杯で11着に敗れた後、JRAの競走馬登録を抹消。南関東の船橋競馬に移籍しました。しかし、南関東でも勝ち星を挙げることができず、2023年3月20日、地方競馬からも登録を抹消され、競走馬としてのキャリアに幕を閉じました。

ランスオブプラーナは、持ち前の逃げの脚で数々のレースを盛り上げました。毎日杯制覇という輝かしい実績を残した一方、クラシックでの活躍は叶いませんでした。ダートや障害への挑戦も、新たな可能性を探る試みとして評価できますが、思うような結果には繋がりませんでした。それでも、その勇敢な走り、そして幾多のレースで魅せた競争心は、多くのファンに記憶に残るものだったでしょう。

血統面にも注目すべき点があります。祖母には1992年のウインターステークス優勝馬であるチェリーコウマン、叔母には京阪杯、シルクロードステークスを制したアンバルブライベンと、優れた血統背景を持っていました。この血統背景が、ランスオブプラーナの競走能力の土台となったことは疑いありません。

惜しまれつつも引退したランスオブプラーナ。その短いながらも華々しい、そして時に苦悩に満ちた競走生活は、多くの競馬ファンに感動と記憶を残したと言えるでしょう。その走り、そしてその名に込められた想いは、これからも語り継がれていくことでしょう。 今後の第二の人生が穏やかであることを願ってやみません。

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