ランダムアクセス

ランダムアクセスとは

ランダムアクセスとは、記憶装置におけるデータアクセス方式の一つで、シーケンシャルアクセスとは対照的な方法です。シーケンシャルアクセスがデータの先頭から順番にアクセスしていくのに対し、ランダムアクセスでは、目的のデータが格納されている場所を特定のアドレスなどを用いて直接アクセスします。

例えば、ファイルシステムで利用されるディスクの場合、目的のファイルのパス文字列からinodeを取得し、さらにinodeからブロック番号を得ます。このブロック番号は、ディスク上の物理的なアドレス（Logical Block Addressing、LBA）に変換可能であるため、ディスクコントローラにそのLBAへのアクセスを指示することで、目的のデータに直接アクセスできます。ディスクコントローラは、ディスクメディアのヘッドを目的のセクタがあるシリンダへ移動させ（シーク）、目的のセクタが回転してくるのを待ち、最終的にそのセクタへアクセスします。

シーケンシャルアクセスとの比較

シーケンシャルアクセスでは、データの先頭から目的の場所まで順番にアクセスする必要があるため、アクセスに時間がかかります（レイテンシが大きい）。一方、ランダムアクセスでは、どの場所のデータにアクセスする場合でも、一般的に同じ程度の待ち時間でアクセスできます。

ただし、シーケンシャルアクセスは、連続したデータを効率的に処理できるという利点があります。そのため、テープストレージなどでは、シーケンシャルアクセスを前提とした高性能化が進められています。

ファイルシステムにおけるランダムアクセス

多くのオペレーティングシステムは、ハードディスクやSSDなどの記憶媒体にファイルシステムを提供しており、データをファイル単位で管理しています。ファイルシステムでは、ファイルに対するランダムアクセスが可能です。これは、ファイル内の特定の位置にあるデータに直接アクセスできることを意味します。

ランダムアクセス・ファイル

特に、メインフレームの専用オペレーティングシステムでは、ランダムアクセスを行うための専用ファイル「ランダムアクセス・ファイル」が用いられることがあります。ランダムアクセス・ファイルでは、データを固定長のブロック（レコード）単位で扱います。プログラムは、ファイル内の任意の位置にあるレコードを直接指定して、読み書きすることができます。

例えば、100バイト固定長のレコードを扱う場合、プログラムはファイル内のレコード単位で位置を移動（シーク）し、目的のレコードに対して読み込みや書き込みを行います。これにより、ファイル内の任意の場所にあるデータを効率的に処理できます。

まとめ

ランダムアクセスは、データへの高速アクセスを可能にする重要な技術です。ファイルシステムやデータベースなど、さまざまな分野で利用されており、現代のコンピュータシステムにおいて不可欠な要素となっています。

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