ランディ・スミス

ランディ・スミス：不屈の精神でNBAを駆け抜けた名プレイヤー

ランディ・スミス（Randy Smith, 1948年12月12日 - 2009年6月4日）は、アメリカ合衆国出身の元プロバスケットボール選手です。NBAにおいて、その卓越した運動能力と不屈の精神で、多くのファンを魅了しました。

生い立ちと大学時代

ニューヨーク州ブルックヘヴンで生まれたスミスは、幼い頃から様々なスポーツに親しみました。ベルポート高校時代には走高跳で208cmの記録を残すなど、その身体能力の高さを示していました。バッファロー州立大学に進学後、バスケットボールに専念し、チームをカンファレンスチャンピオンシップ3連覇、そして1970年のNCAAトーナメントFinal4進出へと導きました。

NBAキャリア

大学での輝かしい実績にも関わらず、スミスは1971年のNBAドラフトで7巡目104位という低い評価を受けました。これは、彼がバッファロー州立大学という、当時としては無名校の出身であったことが影響していました。しかし、バッファロー・ブレーブス（現ロサンゼルス・クリッパーズ）は、スミスを辛抱強く育成し、彼はその期待に見事に応えました。

1年目の1971-72シーズンから、スミスは13.4得点4.8リバウンドを記録し、即戦力として活躍しました。ブレーブスでの8年間で、彼はエースのボブ・マカドゥーと共にチームを牽引し、1973-74シーズンにはチーム史上初の勝ち越しとプレーオフ進出を果たしました。さらに翌シーズンには、クリッパーズの歴代最高勝率となる49勝33敗を記録し、3年連続でプレーオフに進出しました。

スミスのキャリアにおけるハイライトは、1978年のNBAオールスターゲームです。彼はベンチ出場ながらゲームハイとなる27得点を挙げ、イーストチームを勝利に導き、見事MVPに輝きました。このシーズンは、キャリアハイとなる平均24.6得点を記録し、彼の才能が最大限に開花した瞬間でした。

ブレーブス退団後は、ポートランド・トレイルブレイザーズ、クリーブランド・キャバリアーズ、ニューヨーク・ニックス、そして古巣クリッパーズ、アトランタ・ホークスでプレイしました。

プレースタイルと業績

スミスは、その驚異的なスタミナと運動能力で知られていました。彼は906試合連続出場というNBA記録を樹立し、その記録は後にA.C.グリーンによって破られるまで、長らく保持されました。また、彼は得点能力だけでなく、ディフェンスやアシストでもチームに貢献しました。1974-75シーズンには平均6.5アシストを記録し、リーグ5位となりました。

主な業績：

オールNBA2ndチーム （1976）
NBAオールスターゲーム出場 （1976, 1978）
オールスターMVP （1978）
906試合連続出場

ロサンゼルス・クリッパーズのチーム記録：

通算715試合出場：歴代1位
通算12,735得点：歴代1位
通算3,498アシスト：歴代1位
通算1,072スティール：歴代1位

引退後

現役引退後は、NBAの役員やCBAのコーチを務めました。2009年6月4日、コネチカット州ノーウィッチで心臓発作により60歳で亡くなりました。

ランディ・スミスは、決して恵まれた環境ではなかったにも関わらず、自身の才能と努力でNBAの舞台で輝きを放った、真のレジェンドです。彼の不屈の精神とバスケットボールへの情熱は、これからも多くの人々に感動を与え続けるでしょう。

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