ランドスケープコンサルタンツ協会

一般社団法人ランドスケープコンサルタンツ協会（英名：CONSULTANTS OF LANDSCAPE ARCHITECTURE、略称：CLA）は、日本のランドスケープコンサルティング業界を代表する団体であり、ランドスケープ分野のコンサルタント企業によって組織されています。全国に６つの支部を有し、地域に根ざした活動も展開しています。

沿革

ランドスケープコンサルタンツ協会の歴史は、1964年に建設コンサルタント登録制度が開始されたことに始まります。これに合わせて任意団体「造園設計事務所連合」が発足。その後、1967年には「日本造園設計事務所連合」へと改組されます。1985年には建設大臣の許可を得て、社団法人「日本造園コンサルタント協会」（JLCA）が設立され、正式な法人格を持つ団体となりました。時代の変遷を経て、1998年に社団法人「日本造園コンサルタンツ協会」（CLA）、1999年に社団法人「ランドスケープコンサルタンツ協会」と名称を変更し、現在の名に至ります。さらに、2012年には内閣総理大臣の認可を受け、一般社団法人へと移行し、新たな組織体制のもと活動を続けています。

会員構成

本協会の会員は、その形態や活動内容に応じていくつかの種別に分かれています。

正会員: ランドスケープに関連するコンサルタント事業を主とする法人で、協会の目的に賛同する団体です。
準会員: 造園設計を業務としており、将来的に正会員となることを目指す法人または個人です。
賛助会員: 協会の目的に賛同し、その事業推進に協力・支援する法人、個人、または団体です。
特別会員: 協会に対して特に功績があった者、または学識経験者の中から、総会の推薦によって選ばれた方々です。

資格認定

協会は、ランドスケープ分野における専門的な知識と技術を持つ人材を評価・認定するため、「登録ランドスケープアーキテクト」という資格制度を設けています。この資格の保持者は、「ランドスケープアーキテクト連盟（UNION）」として組織されており、専門家同士の連携や情報交換が行われています。

CLA賞

CLA賞は、協会が社団法人化されたことを機に創設されました。この賞の目的は、会員企業が手掛けた優れた作品や業務の成果を顕彰すること、そしてそれを協会内部だけでなく、広く社会に発信・紹介することにあります。

選考方法と特徴

CLA賞の選考は、ランドスケープ分野のプロフェッショナルである選考委員によって行われます。応募作品の資料は事前に委員に配布され、「独創性・新規性」「社会的課題解決力」「市民・ユーザー評価」「プレゼンテーション力」「ランドスケープ職能への貢献度」という5つの視点に基づいて評価点が付けられます。選考会当日にこれらの評価点が集計され、内容が分かりやすく表現された応募作品が特に高く評価される傾向があります。優秀賞に選ばれなかった作品の中から、特別賞や奨励賞が検討されます。

この賞の大きな特徴は、「プロがプロの仕事」を評価・表彰する点にあります。単なる業績の顕彰に留まらず、受賞を目指す過程や応募資料の作成そのものが、コンサルタントの技術力向上を促し、成果を社会に適切にアピールする能力を養う機会ともなります。また、応募者が自身の業務成果を改めて整理・文書化することは、個々の業務の質を確認し、品質保証の一端を担う側面も持っています。これにより、CLA賞は会員企業や従事者にとって、成長のための貴重な糧となっています。

近年の取り組みと改訂

近年、整備単価の縮減や業務内容の小規模化など、応募対象となる「作品」と位置づけられる成果が生まれにくい状況や、応募期間に関する指摘などの課題が聞かれるようになりました。これを受け、協会は事務的な課題の検討とともに、多様な業務においても質の高い成果を追求するための積極的な姿勢やさらなる工夫の必要性を認識しました。このような背景から、2014年度の応募作品募集に際して表彰委員会（技術委員会）による議論を経て、CLA賞の審査基準や応募要領が大規模に改訂されました。以降も、社会状況や業界の変化に対応しながら、毎年継続的に改訂を加えて、CLA賞の意義と機能を維持・発展させています。