ランドマーク・ワールドワイド

ランドマーク・ワールドワイドとは

ランドマーク・ワールドワイド（Landmark Worldwide）は、アメリカ合衆国カリフォルニア州に本社を置く教育会社です。旧社名はランドマーク・エデュケーションで、個人と企業を対象に、自己啓発や「トランスフォーメーション（変容）教育」を目的とした研修プログラムを提供しています。

主力プログラムは「ランドマーク・フォーラム」として知られ、日本では「ブレイクスルーテクノロジー」という名称で展開されています。これらのプログラムは、参加者の既存の思考パターンや行動様式に変革をもたらし、自己の限界を超えることを目指しています。自己啓発セミナーとして、また、大規模自己啓発セミナー（Large Group Awareness Training）として分類されることもあります。

歴史と設立の背景

ランドマーク・ワールドワイドは、ワーナー・エアハード（本名：ジョン・ポール・ローゼンバーグ）が創設した教育研修会社が前身です。エアハードの「エスト（est）」というセミナーが基盤となっており、ランドマーク・フォーラムもその影響を受けています。しかし、ランドマーク側は、エストとの連続性を否定しています。

1991年、エアハードは脱税疑惑やセクハラ訴訟などのスキャンダルに見舞われ、自身の会社を従業員団体に売却しました。その後、この従業員団体がランドマーク・エデュケーションとして設立され、セミナー事業を継続しました。最高責任者にはエアハードの弟が就任し、エアハードの弁護士や姉妹も役員に名を連ねています。

日本での展開

日本では、1985年頃に腎臓専門医の小南奈美子がエストに感銘を受け、日本に導入しました。小南氏は13年間、日本で唯一のフォーラム・リーダーとして活動し、約4万人の参加者を指導しました。その後、1999年にアメリカ人のジェローム・ダウンズが代表取締役に就任し、日本人フォーラム・リーダーを育成しました。ダウンズはアジア担当重役として、東京を拠点に14か国で普及活動を展開しました。

プログラムの特徴と効果

ランドマーク・ワールドワイドは、提供する講座が、参加者のものの見方や意思決定のパターンを変えることを目指しています。これにより、参加者は自己の限界を超え、新たな思考や行動ができるようになると主張しています。公式ウェブサイトでは、「トランスフォーメーション教育のパイオニア」と自称しています。主な顧客層は30代から40代の社会的に成功した人々であり、収益性の高いビジネスとして知られています。

同社のプログラムは、長年の研究開発に基づいており、独立した事例研究も存在するとされていますが、その多くは同社自身による調査に基づいています。肯定的な評価としては、自己啓発の効果、家族関係や人間関係の改善、仕事の効率化などが挙げられます。一方、批判的な意見としては、勧誘の強引さ、価格の高さ、ネガティブな影響などが指摘されています。ランドマークのセミナーは、集団心理療法の代替にはならず、医療機関の援助が必要な人には適していません。

哲学と宗教的側面

ランドマークのプログラムには、東洋哲学的な要素が含まれており、自己啓発セミナーやトレーニングセミナーとして位置づけられる一方で、カルトや新宗教運動と見なされることもあります。しかし、ランドマーク側はこれらの見解を強く否定しています。

ランドマーク・フォーラム

ランドマーク・フォーラムは入門講座として位置づけられ、3日間かけて行われます。個人と企業向けに提供され、一部企業では従業員の研修として推奨されています。しかし、フランスやオーストリアでは、活動が問題視され、財政状況や来歴の調査対象となっている場合もあります。

まとめ

ランドマーク・ワールドワイドは、自己変革を促す教育プログラムを提供する企業として、肯定的な評価もあれば批判的な意見も存在します。そのプログラムに参加する際は、内容や効果を慎重に検討する必要があります。

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