ランボー3/怒りのアフガン

ランボー3/怒りのアフガン

アメリカのアクション映画『ランボー3/怒りのアフガン』（Rambo III）は、1988年に公開され、人気のあるシリーズの第三作目です。この作品は、ジョン・ランボーがかつての上司であるトラウトマン大佐をアフガニスタンで救う冒険を描いています。全101分にわたって、108人の命が奪われるという過激な内容で、1990年度のギネスブックにおいて「最も暴力的な映画」として認定されました。

あらすじ

物語は、ジョン・ランボーがタイのバンコクにある仏教寺院で静かに過ごしているところから始まります。彼はこれまでの戦争で負った心の傷を癒すために隠遁生活を送っていますが、そんな彼のもとにトラウトマン大佐が現れます。トラウトマンはアメリカ国務省から派遣されたグリッグスと共に、アフガニスタンのジュルム地区でソ連軍の残虐行為に対抗するための支援物資の供給を計画していました。彼らは現地調査の協力を求めましたが、ランボーは「俺の戦争は終わった」と申し出を断ります。

しかし、トラウトマンが現地調査のために赴いた先でソ連軍に捕らわれの身になってしまうと、ランボーは彼を救うためにアフガニスタンへと向かいます。現地のゲリラ部隊と手を組み、激しい戦闘を繰り広げながらトラウトマンを救出。しかし、ソ連軍のザイセン大佐は最強の師団を送り込み、彼らの追撃が始まります。絶体絶命の危機に陥った際、ムジャーヒディーンの兵士が助けに現れることで状況は一変し、ランボーたちは逆襲に転じます。

キャストと吹替

この映画は、日本語吹替版がテレビ朝日で放送され、その後のDVDやBDでも収録されています。特に、途中でカットされたシーンは字幕で補完され、2019年には吹替補完版がWOWOWで放送されました。

制作背景

本作は、当初スタローンがラッセル・マルケイを監督に指名していましたが、途中で意見の不一致からマクドナルド監督が引き継ぎました。ロケーションはイスラエル、タイ、アリゾナ州など、実際の戦場を連想させる場所で撮影が行われました。特に、イスラエルでの撮影は14週間にわたりましたが、現地の規制により多くの工夫が必要とされました。

映画のテーマ

前作に続いて、今作も銃火器が豊富に登場し、特にソ連軍の登場を通じて冷戦時代の緊張感が描かれています。映画内にはアフガニスタンの歴史的背景も反映され、主人公がアフガニスタンの人々と連携して戦う姿は深いメッセージを持つ内容でした。公開当時、アメリカにおけるソ連の影響力が低下しつつあったこともあり、映画のテーマは視聴者に強い印象を与えました。

評価と影響

アメリカでの総興行収入は5371万5611ドルに達しましたが、前作に比べておよそ1億ドル低下しました。映画の最後に掲示された「この映画をすべてのアフガン戦士たちに捧げる」という言葉が、結果的にタリバンを指していたことが引き合いに出され、批判の対象となりました。また、アメリカでの公開から10日前に締結された和平協定により、ソ連のアフガニスタン撤退が現実のものとなり、映画が時代の流れと絡み合った背景を持つことを象徴しています。

このように、『ランボー3/怒りのアフガン』はアクション映画としての面白さに加え、深いメッセージ性を持った作品として、今なお多くの人々に愛されています。

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