ラン・ローラ・ラン

『ラン・ローラ・ラン』（原題：Lola rennt、英題：Run Lola Run）は、1998年に製作されたドイツ映画で、トム・ティクヴァが監督を務めました。1999年のサンダンス映画祭ではワールドシネマ観客賞を受賞しています。

概要

物語は、恋人マニの窮地を救うために、20分以内に10万マルクを用意しなければならなくなったローラが、ベルリンの街を奔走するというシンプルな設定です。しかし、この物語は3つの異なるパターンで展開し、あたかもゲームのように、失敗すれば最初からやり直すという構造を持っています。

映画では、同じ時間を何度も繰り返す「リフレイン・プレイヤー」という概念が用いられていますが、このリフレインに関する理論的な説明は特にされていません。また、アニメーションなど、さまざまな映像手法が駆使されている点も特徴です。

3つのトライはそれぞれ、大失敗、惜しい失敗、そして成功というパターンで描かれます。物語が進むにつれて、細部が少しずつ変化し、金の入手方法などの展開もより破天荒になっていきます。主人公ローラを演じるフランカ・ポテンテは、撮影期間中に髪を赤く染め続けなければならず、水洗いすると色が微妙に変化してしまうため、約7週間の撮影期間中、髪を洗うことができなかったそうです。

ストーリー

最初のパターン:

ローラはまず、父親が働くドイツ外為銀行へ向かいますが、金を借りることを拒否されてしまいます。さらに、父親からは家を出ていくように言われてしまいます。仕方なくマニとの待ち合わせ場所に向かうものの、約束の時間に間に合わず、マニはすでにスーパーマーケットに押し入っていました。ローラはマニに加担して金を奪いますが、その後警察に包囲されてしまいます。ローラは警官のミスで胸を撃たれ、このトライは失敗に終わります。

二番目のパターン:

序盤は最初のパターンとほぼ同じ展開ですが、ローラは銀行で父親を脅して10万マルクを強奪することに成功します。銀行の外で警官隊と遭遇するものの、偶然にも人質と勘違いされて保護され、現場から離脱することができました。ローラは待ち合わせに間に合い、マニの強盗を止めますが、今度はマニが車に轢かれてしまい、ミッション完了寸前で再び失敗となります。

最後のパターン:

最初のパターンと同様に父親の銀行に到着しますが、父親は知り合いの車で去ってしまいます。再び走り出したローラはカジノを見つけ、所持金をはたいてルーレットに賭けます。彼女は二度連続で同じ数字に賭け、見事に大当たり。大金を手にして待ち合わせ場所へ急ぎます。一方、マニは偶然、金を置き引きしたホームレスを目撃し、何とかして金を取り戻します。無事に依頼人に金を返したマニは、カジノで大金を手にしたローラと再会し、3度目の正直でミッションを完了させます。

キャスト

ローラ：フランカ・ポテンテ（日本語吹替：本田貴子）
マニ：モーリッツ・ブライプトロイ（日本語吹替：川島得愛）
ローラの父親：ヘルベルト・クナウプ（日本語吹替：池田勝）
ユッタ・ハンゼン：ニーナ・ペトリ（日本語吹替：宮寺智子）
警備員：アーミン・ローデ（日本語吹替：金尾哲夫）
ホームレス：ヨアヒム・クロール（日本語吹替：稲葉実）
マイヤー：ルドガー・ピストール
ロニー：ハイノ・フェルヒ
盲目の女性：モニカ・ブライプトロイ

トリビア

スーパーマーケットのシーンは、ベルリンのシャルロッテンブルク区にある実際のスーパーマーケットで撮影されました。最寄駅は、地下鉄のミーレンドルフプラッツ駅です。

BGM

劇中で使用されるBGM「Running One」は、フジテレビのバラエティ番組「run for money 逃走中」で、ハンターが逃走者を追う場面で編曲版が使用されています。

外部リンク

ラン・ローラ・ラン - allcinema
ラン・ローラ・ラン - KINENOTE
Lola rennt - オールムービー（英語）
* Lola rennt - IMDb（英語）

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