ラヴ・ゴーズ

2020年、世界的なポップスター、サム・スミス待望のサードアルバム『ラヴ・ゴーズ』がリリースされました。当初は『トゥー・ダイ・フォー』というタイトルで2020年5月1日発売予定でしたが、新型コロナウイルスの世界的な流行拡大の影響を受け、発売が延期されると共に、タイトルも変更されることとなりました。

このアルバムには、様々なジャンルの要素を取り込んだ、サム・スミスの幅広い音楽性が詰め込まれています。アップテンポなダンスナンバーから、しっとりと聴かせるバラードまで、楽曲のバリエーションの豊かさは、リスナーを飽きさせません。

特に注目すべきは、豪華アーティストとのコラボレーションです。ナイジェリア出身のスター、バーナ・ボーイをフィーチャリングした「マイ・オアシス」では、アフロビートのグルーヴがサム・スミスのソウルフルな歌声と見事に融合しています。また、イギリス出身のシンガーソングライター、ラビリンスが参加した「ラヴ・ゴーズ」は、聴く者の心を掴む美しいメロディーが印象的です。さらに、ノーマニとのデュエット曲「ダンシング・ウィズ・ア・ストレンジャー」や、デミ・ロヴァートとの「アイム・レディ」、そしてカルヴィン・ハリスとの「プロミセズ」など、多くの世界的アーティストが参加することで、アルバム全体のクオリティを高めています。

アルバム全体を通して、サム・スミスのヴォーカルは、より洗練され、力強さを増しています。繊細な表現力と圧倒的な歌唱力は、聴く者の心に深く響きます。彼の音楽的進化は、このアルバムで明確に示されており、アーティストとしての成長を感じさせる作品となっています。

『ラヴ・ゴーズ』は、単なるポップアルバムではなく、サム・スミス自身の経験や感情が反映された、非常にパーソナルな作品でもあります。失恋の痛みや、自己肯定感の低さ、そして希望といった複雑な感情が、彼の歌声を通して、ストレートに表現されています。これらの感情は、多くの人々の共感を呼び、リスナーは自身の経験と重ね合わせながら、楽曲に深く没入することができるでしょう。

収録曲を挙げると、「ヤング」「ダイアモンズ」「アナザー・ワン」「マイ・オアシス (feat. バーナ・ボーイ)」「ソー・シリアス」「ダンス (ティル・ユー・ラヴ・サムワン・エルス)」「フォー・ザ・ラヴァー・ザット・アイ・ロスト」「ブレイキング・ハーツ」「フォーギヴ・マイセルフ」「ラヴ・ゴーズ (feat. ラビリンス)」「キッズ・アゲイン」「ダンシング・ウィズ・ア・ストレンジャー (with ノーマニ)」「ハウ・ドゥ・ユー・スリープ?」「トゥー・ダイ・フォー」「アイム・レディ (feat. デミ・ロヴァート)」「ファイアー・オン・ファイアー」「プロミセズ (with カルヴィン・ハリス)」「ソーバー」「ローレル・キャニオン」「フィックス・ユー（ライヴ）」と、バラエティに富んだ楽曲が収録されています。

新型コロナウイルスの影響を受けながらも、完成された『ラヴ・ゴーズ』。このアルバムは、サム・スミスの音楽的成長と、彼の心の内面を深く知ることができる、聴き応えのある一枚と言えるでしょう。

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