ラヴ・ユー (アルバム)

『ラヴ・ユー』は、1977年にリリースされたザ・ビーチ・ボーイズのアルバムです。このアルバムは、ブライアン・ウィルソンが楽曲制作の中心を担っており、彼の個性が強く反映された作品として知られています。

前作がビーチ・ボーイズのカムバック作と評されたのに対し、『ラヴ・ユー』は、ブライアン・ウィルソンの1970年代における真のカムバック作と評価する批評家もいます。ブライアンが全曲の作曲に関わったビーチ・ボーイズのオリジナル・アルバムは、『スマイリー・スマイル』と本作のみです。

1976年当時、ブライアンはセラピストのユージン・ランディ博士の助けを得て、実質的なソロ・アルバム『Brian Loves You』を制作しようと試みていました。当時普及し始めたばかりのポリフォニック・シンセサイザーを駆使し、新たな音楽表現を追求しました。並行して、ビーチ・ボーイズとしてのアルバム『The New Album』も制作していましたが、最終的に『Brian Loves You』の楽曲を多く転用し、『The New Album』からは「ホンキン・ダウン・ザ・ハイウェイ」のみを採用して完成したのが、この『ラヴ・ユー』です。

アルバム制作期間中の11月27日、ブライアンはアメリカNBCテレビの番組『サタデー・ナイト・ライヴ』に出演し、当時未発表曲だった「ラヴ・イズ・ア・ウーマン」を演奏しました。

収録曲は以下の通りです。

1. レット・アス・ゴー・オン・ディス・ウェイ - Let Us Go on This Way (Brian Wilson/ Mike Love)
2. ローラー・スケーティング・チャイルド - Roller Skating Child
3. モナ - Mona
4. ジョニー・カーソン - Johnny Carson
5. グッド・タイム - Good Time (Brian Wilson/ Al Jardine)
6. ホンキン・ダウン・ザ・ハイウェイ - Honkin' down the Highway
7. ディン・ダン - Ding Dang (Brian Wilson/ Roger McGuinn)
8. ソーラー・システム - Solar System
9. ザ・ナイト・ワズ・ソー・ヤング - The Night Was So Young
10. アイル・ベット・ヒーズ・ナイス - I'll Bet He's Nice
11. レッツ・プット・アワ・ハーツ・トゥゲザー - Let's Put Our Hearts Together
12. アイ・ウォナ・ピック・ユー・アップ - I Wanna Pick You Up
13. エアプレイン - Airplane
14. ラヴ・イズ・ア・ウーマン - Love Is a Woman

『ラヴ・ユー』は、ブライアン・ウィルソンの創造性と、当時の音楽シーンのトレンドが融合した、ユニークな作品と言えるでしょう。

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