ラートクラバン工業団地

ラートクラバン工業団地の概要

ラートクラバン工業団地（タイ語：นิคมอุตสาหกรรมลาดกระบัง、英語：Lad Krabang Industrial Estate）は、タイのバンコクに所在し、タイ工業団地公社が管理する主要な工業地区の一つです。1978年に設立されて以来、ラートクラバン区における経済活動の中心として、特に電子産業、自動車産業、機械業界、プラスチック製品、日用雑貨など多彩な産業が集まり、発展を続けています。

立地と交通の利便性

この工業団地はバンコクのラートクラバン区に広がっており、その便利な立地からさまざまな主要な交通経路にアクセスしやすいという利点があります。スワンナプーム国際空港までは約10キロメートル、クローントゥーイ港やドンムアン空港からはそれぞれ45キロメートル、50キロメートルと近距離にあります。また、レームチャバン港からも100キロメートルと、国際的な物流拠点にとても適した位置にあります。

用地と施設

工業団地の総面積は409ヘクタールに及び、一般工業区が196ヘクタール、フリーゾーンが109ヘクタール、そして住宅・商業用地が1.5ヘクタール、公共インフラエリアが102ヘクタールとなっています。施設面では、信頼性の高い水道水の供給があり、予備井戸も5ヶ所用意されています。電力供給は、ミンブリー区の首都電力公社から供給され、24kVで180MVAの出力が確保されています。

通信インフラも充実しており、7,000回線の電話サービスが用意されているほか、廃水処理施設も2ヶ所に設置され、処理能力は1日18,600㎥に達しています。交通面では、幹線道路が幅31メートルで鉄筋コンクリート製、その補助道路と路地では741メートルのアスファルト舗装がなされています。

洪水対策と安全対策

ラートクラバン工業団地は、洪水への対策も万全を期しています。周辺には17.4キロメートルの土製堰が設置され、海抜は2.20メートルです。また、16台のポンプを備えた7ヶ所のポンプ所が設置されており、排水能力は1時間あたり50,000㎥に至ります。さらに、防火システムも充実しており、消火栓96ヶ所、水槽車や消防車等が完備されています。

ワンストップサービスとコジェネレーション発電

ラートクラバン工業団地では、ワンストップサービスセンター（OSOS）が設置されており、企業に対してさまざまな支援を行っています。また、コジェネレーション発電事業も進められており、TACエナジー社が2011年から事業を開始しました。これにより、タイ発電公社に売電しながら、工業団地内に電気と蒸気を供給しています。

洪水の影響と対応

特に2011年には、タイの大雨に伴い、北部及び中部地域で洪水が発生しました。パンコク近郊の工業団地も冠水の影響を受け、一時的に閉鎖される事態となりました。このため、入居企業には洪水に備えるための操業停止が要請されるなど、防災体制も強化されていきました。バンコク都にあるラートクラバン工業団地は、経済活動において重要な役割を果たしており、今後の発展が期待されています。

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