ラー・アンドロメダ・プロメシューム

ラー・アンドロメダ・プロメシューム

概要

ラー・アンドロメダ・プロメシューム（La Andromeda Promethium）は、松本零士による著名な作品『銀河鉄道999』に登場する架空のキャラクターです。正確にはプロメシュームII世という正式名称を持っていますが、通常は単に「プロメシューム」と呼ばれます。彼女は『銀河鉄道999』の中では、女王として君臨する機械帝国の支配者として描かれており、特にメーテルの母という重要な役割を担っています。彼女の存在は、松本作品の宇宙観や人間の存在意義を考える上で欠かせないものであり、非常に多層的なキャラクターとして評価されています。

キャラクターの背景

プロメシュームは、かつて人間として生きていましたが、機械化を選択し、永遠の命を求める成り行きから機械帝国の女王へと変貌を遂げました。彼女の野望は、機械の体を通じて全宇宙にその存在を広めることにありました。そのため、彼女はかつての夫であるドクター・バンとの婚姻関係を背景に、多くの物語に絡み合っていくのです。

2000年以降、『銀河鉄道999』と『1000年女王』の繋がりを描くOVA『メーテルレジェンド』や、TVアニメ『宇宙交響詩メーテル 銀河鉄道999外伝』によって、プロメシュームのキャラクターは更に深いものとなりました。これらの作品では、プロメシュームとメーテルとの親子関係や、彼女が機械化人として進化していく過程が特に強調されています。

性格と人物像

プロメシュームは、その狂信的とも言える機械への信奉と、母親としての深い愛情の二面性を持っています。一方で、彼女は「全宇宙の支配者」と自称し、自らの野望の障害となる者には決して慈悲を見せません。彼女のもとで育ったメーテルへの愛情は強い反面、野望に対しては冷酷な姿勢を崩さないという複雑さがあります。かつての優しさは野望によって蝕まれ、彼女の温かい心は失われてしまったことが、彼女の物語の悲しさを際立たせています。

外見と装飾

その外見は、作品ごとに微妙な変化が見られますが、基本的には能面のような白い顔に黒目の瞳、さらに髪と一体化した黒い衣装を身に着けています。特に映画版では、惑星大アンドロメダと一体化した存在となり、白色のエネルギー体として描かれることもあります。機械としての彼女は、見た目だけでなく、彼女の強さや権威を表現するかのようにデザインされています。

物語における役割

プロメシュームは『999』の中で初めて登場し、主人公鉄郎との直接対峙の中でその非情さを際立たせます。映画1作目では、彼女は惑星メーテルの崩壊と共に自らの運命を選び、鉄郎を絞殺しようと試みます。続く映画2作目でも、彼女の過去や娘メーテルとの関係が詳細に語られ、彼女の悲劇的な側面がより明確になります。

さらに、TV版では、プロメシュームが娘メーテルと再会するシーンが描かれ、彼女の母親としての心情や、彼女の行動がもたらす影響が深く考察されます。彼女は自己矛盾に悩まされる瞬間もあり、視聴者に強い印象を残します。

結論

ラー・アンドロメダ・プロメシュームのキャラクターは、松本零士の作品における重要な存在で、その複雑な人物像が物語の中で織りなすドラマは観る者に多くの思索を促します。機械と人間、愛と裏切り、そして母と娘の関係の中で、プロメシュームは時に冷酷でありながらも、どこか人間らしさを持ち合わせた魅力的なキャラクターとして存在しています。彼女の物語は、単なるSF作品の一部分ではなく、深い人間ドラマを映し出すものと言えるでしょう。

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