リアンジェロ・ボール

リアンジェロ・ボール：バスケットボールと音楽、二つの道

リアンジェロ・ロバート・ボール（LiAngelo Robert Ball）は、1998年11月24日生まれ、アメリカ合衆国カリフォルニア州アナハイム出身のプロバスケットボール選手です。ポジションはシューティングガード。彼の名前が広く知られるようになったのは、兄のロンゾ・ボールと弟のラメロ・ボールがいずれもNBA選手であるという、バスケットボール一家の一員であるからです。しかし、リアンジェロのキャリアは、順風満帆とは言い難いものでした。

生い立ちとハイスクール時代

幼い頃から、父ラバー・ボールの指導のもと、兄ロンゾ、弟ラメロと共にバスケットボールに打ち込みました。兄と同じチノヒルズ高等学校に進学すると、2年目のシーズンには弟ラメロも加わり、ボール兄弟を擁するチームは圧倒的な強さを誇りました。この頃から、リアンジェロは将来を嘱望される選手の一人として注目を集めるようになります。

UCLAでの挫折

高校卒業後、リアンジェロは兄ロンゾが在籍したUCLAに進学します。2017年11月1日のプレシーズンマッチで11得点を記録し、順調なスタートを切ったかに見えました。しかし、シーズン開幕直前の11月7日、中国・杭州市でチームメイトと共にルイ・ヴィトンの高級ショッピングセンターからサングラスを盗んだとして逮捕されてしまいます。当初は重い刑罰が科せられる可能性もありましたが、すぐに釈放。しかし、チームからは無期限の出場停止処分を受け、同年12月4日にUCLAを退学せざるを得なくなりました。UCLAでの出場は、結局プレシーズンマッチの1試合のみという、不本意な結果に終わりました。

海外リーグでの挑戦

UCLA退学後の2017年12月11日、リアンジェロは弟ラメロと共にLBL（リトアニア・バスケットボール・リーグ）のBCプリエナイと契約し、プロとしてのキャリアをスタートさせます。2018年1月13日にプロデビューを飾り、3月25日の試合ではシーズンハイの28得点を記録するなど、一定の活躍を見せました。しかし、同年4月25日、父ラバーがチームのヘッドコーチと衝突したことが原因で、ラメロと共にチームを退団。このシーズンは平均12.6得点、2.7リバウンドという成績でした。その後、2018年のNBAドラフトにエントリーするも、どのチームからも指名を受けることはありませんでした。

JBA、そしてGリーグへ

2018年7月9日、父ラバーが創設したJBA（ジュニア・バスケットボール・アソシエーション）のロサンゼルス・ボーラーズと契約。JBAではオールスターゲームに選出されてMVPを受賞、さらにJBAファイナルでもMVPを受賞するなど、目覚ましい活躍を見せました。しかし、オフには足首の手術を受けるなど、苦難も経験します。その後、2019年12月29日にNBAGリーグのオクラホマシティ・ブルーと練習生として契約しますが、新型コロナウイルスの影響でシーズンのほとんどが中止となり、自身も試合に出場することはできませんでした。2020年12月2日にはデトロイト・ピストンズとトレーニングキャンプ契約を結びますが、プレシーズンマッチが始まる前に解雇されてしまいます。

NBAへの挑戦、そして新たな道

2021年夏には、兄ロンゾの招待で、弟ラメロが所属するシャーロット・ホーネッツのワークアウトに参加。その後、ホーネッツの一員としてサマーリーグに参加することになりました。同年10月14日に契約するも、翌日に解雇。同月23日にはGリーグドラフトでホーネッツ傘下のグリーンズボロ・スウォームに指名を受けますが、NBAの舞台にはなかなか手が届きません。2024年2月14日にはメキシコのバスケットボールリーグであるCIBACOPAのアストロズ・デ・ハリスコと契約したものの、開幕2戦で左膝の靱帯を損傷し、アメリカでリハビリを行うことになりました。

そして2025年1月、リアンジェロは自身のラップミュージックのデビュー・シングル「Tweaker」のバイラル・ヒットを受けて、デフ・ジャム・レコードと契約を結び、本格的に音楽キャリアをスタートさせました。バスケットボール選手としての道を模索しながらも、新たな才能を開花させたリアンジェロの今後の活躍に注目が集まります。

リアンジェロ・ボールのキャリアは、決して平坦なものではありませんでした。しかし、数々の困難を乗り越え、常に挑戦を続ける彼の姿は、多くの人々に勇気を与えています。バスケットボールと音楽、二つの道で輝きを放つリアンジェロ・ボールの未来に期待しましょう。

もう一度検索