リオグランデ共和国

リオグランデ共和国

リオグランデ共和国（República del Río Grande）は、1840年1月17日から11月6日までの短い期間、北米のメキシコとテキサス共和国の間に存在した国家です。この共和国の成立は、メキシコ独立戦争の後の混乱と権力争いを反映しています。

背景

1821年にスペインから独立を果たしたメキシコは、連邦共和制の「メキシコ合衆国」を成立させましたが、新政府はすぐに中央集権的な体制へと移行しました。サンタ・アナ将軍が1833年に大統領に就任すると、連邦憲法は停止され、多くの州が独自の権利を主張するようになりました。その結果、テキサスは1836年に独立を宣言しました。

独立宣言

リオグランデ共和国は、1840年初頭にオルベニャ・ランチで憲法制定会議を行い、コアウイラ、ヌエボレオン、タマウリパスの各州がメキシコから離脱し、ラレドを首都とする新たな連邦共和国を樹立することを決定しました。その最初の大統領はヘスス・デ・カルデナスが就任しました。共和国の主張する領土は当時のテキサス共和国とメキシコの間で紛争の対象となっており、特にリオグランデ川を境にした地域での対立が生じていました。

独立戦争

リオグランデ共和国とメキシコ軍の間で複数の戦闘が繰り広げられ、特に1840年3月のモレロスの戦いでは、メキシコ側が勝利しました。この敗北により、共和国側の指導者たちの多くが捕らえられ処刑されましたが、生き残ったカナレス司令官はテキサスへ逃れ、新共和国の存続のために戦う志願兵を募りました。

カナレス司令官は、テキサス共和国との連携を図り、オースティンで大統領ラマーと面会。しかし、彼は共和国を認めることがテキサス自体の正当性を脅かす懸念から、公式な承認は行われませんでした。その後、共和国の軍は再編成を行い、タマウリパスの首都シウダービクトリアに向かう試みもありました。

消滅した共和国

11月に入り、カナレス司令官はメキシコ軍との会議を持ちました。この場でメキシコ軍からの提案として、自身の大義を捨てる代わりに準将に昇進することが提案されたのです。カナレスがこの提案を受け入れたことで、リオグランデ共和国は公式に消滅しました。

リオグランデ共和国の国旗

国旗は赤い背景に3つの白い星が配されており、これは脱退した3つの州を象徴しています。また、国旗の上半分は白、下半分は黒であり、テキサス共和国の旗に似たデザインになっています。

現代における位置付け

現在、リオグランデ共和国が存在した地域は、アメリカ合衆国のテキサス州とメキシコのコアウイラ、ヌエボレオン、タマウリパス州に分かれています。また、テキサス州にはこの共和国に関する史跡や博物館が存在し、過去の歴史を知る貴重な場所となっています。

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