リカルド・モンタルバン

リカルド・モンタルバン（Ricardo Montalban, 本名: Ricardo Gonzalo Pedro Montalbán Merino, 1920年11月25日 - 2009年1月14日）は、メキシコシティ出身の著名な俳優です。舞台、映画、テレビドラマと幅広い分野で活躍し、特にアメリカのエンターテインメント界で大きな足跡を残しました。

若き日のモンタルバン

メキシコシティで生まれたモンタルバンは、トレオンで育ちました。高校時代には、兄のカルロス・モンタルバンの勧めでアメリカ・カリフォルニア州へ移住。英語の習得に励む傍ら、演劇に情熱を注ぎました。高校卒業後は、ニューヨークを中心にアマチュア舞台俳優として活動し、徐々に注目を集める存在となります。しかし、母親の病気を理由に一時帰国し、メキシコで活動を続けました。

ハリウッドへの進出

1941年、モンタルバンはメキシコで映画俳優としてプロデビューを果たします。その野性的なルックスとエネルギッシュな演技はすぐに評判となり、第二次世界大戦後の1947年にはアメリカ映画『闘牛の女王』でハリウッドデビューを飾りました。この作品での成功をきっかけに、エキゾチックで個性的な役柄を次々と演じ、戦後のラテンブームを牽引するハリウッドスターとしての地位を確立しました。

当時のハリウッドで人気を博したミュージカル映画にも数多く出演し、その才能を発揮しました。特に、1957年の映画『サヨナラ』で演じた歌舞伎役は、日本でも大きな話題となりました。

テレビ界での成功

1960年代以降、モンタルバンは映画だけでなく、テレビドラマにも積極的に出演するようになります。多くのアクションドラマや刑事ドラマで主演を務め、『コンバット』シリーズにもゲスト出演しました。また、SFドラマ『スタートレック』シリーズでは、カリスマ的な敵役である「優性人間カーン」を演じ、強い印象を残しました。

しかし、モンタルバンが真にテレビ界でのスターとしての地位を確立したのは、1978年から1984年にかけて放映されたテレビドラマ『ファンタジー・アイランド』でした。彼は主人公である「ミスター・ローク」を演じ、北米の視聴者から絶大な支持を得ました。熱帯の孤島を舞台に、ミスター・ロークがゲストたちの夢を叶えるというストーリーは、同時期に放送されていた『ラブ・ボート』と共に、「夢を叶える」ドラマとして人気を博しました。

また、モンタルバンはクライスラー社のテレビCMにも長年出演し、企業の顔としても親しまれました。

晩年と遺産

1990年代以降も、モンタルバンは数多くのテレビドラマに出演し、その活躍は衰えることを知りませんでした。『スパイキッズ2 失われた夢の島』などの子供向け映画や、コミカルなアドベンチャー作品にも出演し、幅広い層の観客を魅了しました。2007年に妻を亡くし、その2年後の2009年1月14日、ロサンゼルスの自宅で生涯を閉じました。

リカルド・モンタルバンは、60年以上にわたるキャリアの中で、映画、テレビ、舞台と多岐にわたる分野で活躍し、数多くの名作に出演しました。彼の演技力とカリスマ性は、多くの人々に感動を与え、エンターテインメント史にその名を刻んでいます。

主な出演作品
映画
* テレビシリーズ

リカルド・モンタルバン - IMDb（英語）

リカルド・モンタルバン - インターネット・ブロードウェイ・データベース（英語）

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