リセウ大劇場

リセウ大劇場（Gran Teatre del Liceu）は、スペイン・バルセロナのランブラス通りの中央に位置する、歴史あるオペラ劇場です。バルセロナを代表する観光名所の一つであり、その美しい外観と、質の高いオペラ公演で知られています。通称「エル・リセウ」として親しまれています。

従来、スペインはオペラやクラシック音楽の分野で傍流と見なされることが多かったのですが、21世紀に入る頃から、リセウ大劇場は実力派のオペラハウスとして急速に注目を集めるようになりました。ドイツオペラ、イタリアオペラ、フランスオペラと、幅広いジャンルのオペラを高い水準で上演しており、近年では、この劇場で収録されたDVDやCDも多数リリースされています。

「リセウ大劇場」という日本語訳は、劇場の所在地であるカタルーニャ自治州の公用語、カタルーニャ語での名称（Gran Teatre del Liceu）に基づいています。スペイン語では「リセオ大劇場（Gran Teatro del Liceo）」となり、近年までこちらの表記が一般的でした。また、観光ガイドブックやインターネット上では、「リセウ歌劇場」や単に「リセウ劇場」など、様々な表記が用いられていますが、本記事では原語を尊重し「リセウ大劇場」という表記で統一します。

沿革

リセウ大劇場の歴史は、19世紀半ばに遡ります。

1847年: 劇場が完成し、落成式が執り行われました。
1854年: 劇場の養成所が学校法人となり、音楽院に昇格しました（リセウ高等音楽院を参照）。
1861年: 劇場で初めての火災が発生し、ステージと客席部分が全焼しました。
1862年: 復旧工事を経て、劇場が再開されました。
1893年: 爆弾事件が発生しました。無政府主義者のサンティアゴ・サルバドーが2階客席から爆弾を投げ込み、20名以上の死者を出すという惨事となりました。
1994年: 2回目の火災が発生し、ステージと観客席が再び全焼しました。
* 1999年: 再建工事が完了し、劇場が再開され、現在に至ります。

リセウ大劇場は、その長い歴史の中で、幾多の困難を乗り越え、今日まで素晴らしいオペラ公演を提供し続けています。

脚注

リセウ大劇場ホームページ（英語、スペイン語、カタルーニャ語）

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