リチャード・アシュクロフト

リチャード・アシュクロフト：狂気をまとう英国ロックのカリスマ

リチャード・アシュクロフト（Richard Ashcroft）は、1971年9月11日、イギリスのウィガンで生まれたミュージシャン。伝説的バンド、ザ・ヴァーヴのボーカリストとしてその名を知らしめ、解散後はソロアーティストとして独自の音楽世界を追求し続けています。

幼少期から音楽への目覚め

アシュクロフトは幼少期に父親を亡くし、その後、継父の影響を受けるなど複雑な家庭環境で育ちました。ウェスト・ランカシャーの高校時代には、後のバンドメンバーとなるサイモン・ジョーンズらと出会い、音楽への道を志します。若い頃はサッカー選手としても才能を発揮し、ウィガン・アスレティックのジュニアユースに所属していましたが、音楽への情熱が勝り、プロの道を断念。

ザ・ヴァーヴでの成功と解散

1989年、アシュクロフトはザ・ヴァーヴを結成し、ボーカリストとしてバンドを牽引します。1997年に発表されたアルバム「アーバン・ヒムズ」は、代表曲「ビター・スウィート・シンフォニー」を収録し、イギリスで316万枚を売り上げる大ヒットを記録。ザ・ヴァーヴは一躍トップバンドの仲間入りを果たしますが、1999年に2度目の解散を迎えます。

ソロアーティストとしての再出発

ザ・ヴァーヴ解散後、アシュクロフトはソロアーティストとしての活動を開始。2000年にリリースした1stアルバム「Alone With Everybody」は全英1位を獲得し、ソロとしての成功を収めます。その後も、コンスタントにアルバムを発表し、独自の音楽性を追求。2005年には、LIVE 8でコールドプレイのメンバーと「Bitter Sweet Symphony」を共演し、話題を集めました。

マッド・リチャードの異名

アシュクロフトは、「俺は空を飛べる」といった破天荒な言動から、「マッド・リチャード（狂気のリチャード）」という愛称で親しまれています。また、Spiritualizedの元メンバーであるケイト・ラドリーと結婚し、2人の息子をもうけています。マンチェスター・ユナイテッドFCの熱狂的なファンとしても知られています。

オアシスとの友情

アシュクロフトは、オアシスのギャラガー兄弟と親交が深く、特にノエル・ギャラガーとは深い絆で結ばれています。ザ・ヴァーヴの解散後、ドラッグ中毒に苦しんでいたアシュクロフトを励まし続けたノエルに対し、アシュクロフトは感謝の念を抱いており、リアム・ギャラガーに楽曲を捧げるなど、交流は現在も続いています。

音楽史に名を刻むカリスマ

リチャード・アシュクロフトは、その独特な音楽性とカリスマ性で、多くのミュージシャンやファンに影響を与え続けています。ザ・ヴァーヴ時代からソロ活動に至るまで、常に音楽シーンの最前線で活躍し、イギリスを代表するロックアイコンとしての地位を確立しました。

もう一度検索