リチャード・カープ

リチャード・マニング・カープのプロフィール

リチャード・マニング・カープ（Richard Manning Karp）は、1935年1月3日にボストンで生まれた著名な計算機科学者で、特に計算理論における革新的な研究で名高い存在です。彼はカリフォルニア大学バークレー校に所属し、数十年にわたり情報工学とオペレーションズリサーチの分野で活躍しています。

学歴と初期の経歴

カープは、ボストンで育ち、三人の兄弟がいます。彼はハーバード大学で学士号を1955年に取得し、続いて1956年に修士号、1959年には応用数学の博士号を取得しました。その後、IBMのトーマス・J・ワトソン研究所でキャリアをスタートさせ、1968年にはカリフォルニア大学バークレー校での教授職を担うこととなります。バークレー校での活動が中心となる一方で、1968年から1972年の間にワシントン大学でも教授としての職を経験しますが、その後はバークレー校に留まることになります。

研究と業績

カープの研究は広範囲にわたるもので、特に組合せ最適化や計算複雑性理論に関連する問題に多くの貢献をしています。彼の業績は多数の重要なアルゴリズムの開発を含んでおり、特に1971年にジャック・エドモンズと共同で考案したエドモンズ-カープアルゴリズムは、ネットワークの最大フロー問題を効果的に解決する手段として評価されています。

1972年には、彼の論文『Reducibility Among Combinatorial Problems』を発表し、NP完全クラスに属する21の問題を証明しました。これは計算理論の基礎を築く重要な研究とされています。さらに1973年には、ジョン・ホップクロフトとともにホップクロフト–カープのアルゴリズムを発表し、2部グラフの最大マッチングに関する最早の技法を提供しました。

1980年には、リチャード・J・リプトンと共にカープ-リプトンの定理を証明し、この定理が示す多項式階層の特性は計算理論における新たな視点を提供しました。また, 1987年にはマイケル・ラビンと共同でラビン-カープ文字列探索アルゴリズムを開発し、情報検索の分野でも新たな方法論を提供しました。

受賞歴

彼の業績は多くの賞で評価されています。主な受賞歴としては、1979年にファルカーソン賞、1985年にチューリング賞、1990年にはジョン・フォン・ノイマン理論賞を受賞しています。また、1994年にはAssociation for Computing Machineryのフェローに選ばれ、1996年にはアメリカ国家科学賞を受賞しています。

さらに、カープは1998年にイスラエル工科大学からハーヴェイ賞、2004年にはベンジャミン・フランクリン・メダルを受けるなど、その功績が広く認識されています。2008年には、京都賞の先端技術部門とカーネギーメロン大学のディクソン賞の科学部門を受賞し、計算理論における長年の貢献が讃えられました。

結論

リチャード・カープの研究は、計算機科学や関連分野において非常に重要な役割を果たしており、彼の開発したアルゴリズムや理論は現在も広く使われています。彼の影響は計算理論や情報学の分野にとどまらず、これからも多くの研究や実践に活かされていくことでしょう。

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