リチャード・マイヤー

リチャード・マイヤーは、1934年10月12日にアメリカ合衆国ニュージャージー州ニューアークで生まれた、世界的に著名な建築家です。彼の作品は、一貫して白色を基調としていることが特徴であり、そのスタイルは、近代建築の巨匠であるル・コルビュジエの作風を色濃く反映していると評されます。マイヤーは、槇文彦や谷口吉生といった建築家たちと同様に、純粋なモダニズム建築を追求する建築家として国際的に認知されています。

1957年にコーネル大学で建築学の学士号を取得後、SOM（スキッドモア・オーウィングズ・アンド・メリル）で短期間勤務しました。その後、マルセル・ブロイヤーの下で3年間実務経験を積み、1963年に自身の建築事務所を設立しました。マイヤーの名が広く知られるようになったきっかけの一つに、1969年にニューヨーク近代美術館で開催されたアーサー・ドレクスラー企画の展覧会があります。この展覧会では、純粋なモダニズムを追求する5人の建築家が特集され、その一人がマイヤーでした。この展覧会を元に1972年に出版された書籍『Five Architects』を通じて、マイヤーはチャールズ・グワスミー、ピーター・アイゼンマン、マイケル・グレイブス、ジョン・ヘイダックと共に「ニューヨーク・ファイブ」というモダニズム建築家グループの一員と見なされるようになりました。

マイヤーは1984年に建築界のノーベル賞とも称されるプリツカー賞を受賞し、その功績が世界的に認められました。特に、ロサンゼルスにある美術館、ゲッティ・センターの設計は、彼の代表作として広く知られ、多くの人々を魅了しています。そのほかにも、世界各地に数々の重要な建築物を設計しており、その作品は、美術館、博物館、オフィスビル、公共施設、住宅など多岐にわたります。

主な作品

ハイ美術館（1983年、アトランタ）
フランクフルト工芸博物館（1985年、フランクフルト）
カナル・プラス本社ビル（1992年、パリ）
ウルム市展示・会議センター（1993年、ウルム）
バルセロナ現代美術館（1995年、バルセロナ）
テレビとラジオの博物館（1995年、ビバリーヒルズ）
ガゴージアン・ギャラリー（1995年、ビバリーヒルズ）
ハーグ市庁舎と図書館（1995年、ハーグ）
ラチョフスキー美術館（1996年、ダラス）
ゲッティーセンター（1997年、ロサンゼルス）
サンドラ・デイ・オッコーナー連邦裁判所（2000年）
ザ・パークハウス晴海タワーズ（2012年、東京）

受賞歴

プリツカー賞
高松宮殿下記念世界文化賞

関連人物

* スタン・アレン

リチャード・マイヤーの建築作品は、その純粋な美しさと機能性によって、世界中の人々に感動を与え続けています。彼の作品は、単なる建築物としてだけでなく、芸術作品としても高く評価されており、後世の建築家たちに大きな影響を与え続けるでしょう。

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