リチャード・メンター・ジョンソン

リチャード・メンター・ジョンソンの生涯と業績

リチャード・メンター・ジョンソンは1780年または1781年10月17日に生まれ、1850年11月19日に亡くなったアメリカの政治家であり、第9代副大統領として知られています。彼は、憲法修正第12条に基づいて上院によって選出された唯一の副大統領であり、その政治経歴はケンタッキー州選出の連邦下院および上院議員として始まりました。彼はまた、ケンタッキー州下院議員としてキャリアを終えることになります。

初期の経歴

ジョンソンはケンタッキーのロバート・ジョンソンとジェミマ・ジョンソンの間に生まれ、11人兄弟の中で5番目の子供として育ちました。家族は当初「ベアーグラス」で暮らしていましたが、1782年にはファイエット郡のブライアンズ・ステーションに引っ越しました。彼の母は、1782年に起きた襲撃事件において英雄的な行動を取り、その名を馳せました。

ジョンソンは15歳で初めて公的な教育を受け、その後レキシントンのトランシルヴァニア大学に入学しました。法曹界に進む過程で、彼は地元の法律家から学び、1822年には開業弁護士として活動を始めました。その後、兄弟と共に小売業を営みつつ、地域社会への奉仕活動を行なっていました。

政治活動の始まり

彼の政治キャリアは、1804年にケンタッキー州下院議員に選出されたことから始まります。在任中は土地の投機者から移住者を守るための法律を支持し、州政治において一定の影響力を持ちました。彼は1806年には連邦下院議員に選出され、長い議会生活を送ります。特に1812年の米英戦争では、陸軍大佐として軍に参加し、戦闘での偉業が後の政治活動に利用されることとなります。

再び政治の舞台へ

戦後、ジョンソンは1819年に上院議員に転身しました。その後、彼は複数の任期を務めることになりますが、その一方で私生活におけるスキャンダルが彼の政治生命に影を落とすこととなります。彼は奴隷であるジュリア・チンとの内縁関係を公に認め、これが彼の立場を脅かす要因となりました。

副大統領としての任期

1836年、ジョンソンはマーティン・ヴァン・ビューレンの副大統領候補として指名され、特有のスローガンと共に選挙戦を戦いましたが、当選には至らず、決選投票で選出されました。間もなく民主党は彼を1840年の選挙で再び副大統領候補として指名することを拒否します。

その後、長い間の落選を経て、1850年に再びケンタッキー州の下院議員に選出されました。しかし、彼はその任期が終わる前に亡くなります。ジョンソンは生涯を通じて多くの関心を集めましたが、彼の政治的遺産の一部は私生活の複雑さによって覆われてしまいました。

ジュリア・チンとの関係

ジョンソンはジュリア・チンとの関係により公然と批判を受けましたが、彼は彼女を内妻として扱い、育てた二人の娘にも教育の機会を与えました。ジュリアの死後も他の女性との関係を持つなど、彼の私生活は波乱に満ちていました。

最後の時

彼は1850年にケンタッキー州の下院議員に当選し、任期からちょうど二週間後に亡くなります。彼の死後、その財産は議会によって裁定され、兄弟たちに相続されることとなりました。ジョンソンの人生は、政治的成功と私生活の困難が交錯するものであり、彼の名はアメリカ政治の歴史の中で刻まれています。

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