リッスンブール

リッスンブールとは？

リッスンブールは、2022年10月にインターネット上で生まれた架空の国家です。フランスのTwitterユーザーが、イベリア半島の北西部に位置する架空の国の地図を投稿し、これがミームとして拡散しました。

ミームの誕生

きっかけは、ヨーロッパの地理に詳しくないアメリカ人を揶揄するジョークでした。フランス人ユーザーのGaspard Hoelscherが、イベリア半島に新たな領土を加えた地図をTwitterに投稿し、「アメリカ人はこの国の名前を知らないだろう」とコメントしました。これに対し、別のユーザーが「リッスンブールを知らない人がいるのか？」と返信し、架空の国名が誕生したのです。

この国名は、ルクセンブルク、リトアニア、リヒテンシュタインといったヨーロッパの国名を混ぜ合わせたような響きを持っています。

ミームの拡散

リッスンブールは瞬く間にネット上で拡散し、様々なユーザーが架空の情報を創作し始めました。でっち上げの事実、加工された写真、衛星写真などが「リッスンブールの情報」として共有され、政府機関を名乗るTwitterアカウントまで登場しました。

これらのアカウントは、首都、国旗、歴史、国歌、文化といった詳細な設定を作り上げ、リッスンブールの存在を具体化していきました。

詳細な設定

リッスンブールは、フルッセルデ、クステルデ、ミッテラント、アドリアス、カゼイェールという5つの地域に分割されているとされました。公用語はフランス語、ドイツ語、スペイン語、ポルトガル語で、さらに「リッスンブール語」という独自の言語まで存在するとされました。

人口は5900万人と設定され、ミームの創始者であるGaspard Hoelscher氏がリッスンブールの大統領に祭り上げられました。

AIの活用

DALL-EというAI画像生成プログラムに「Listenbourg」という単語を入力すると、ヨーロッパ風の建物が生成されることも話題となりました。この現象は、リッスンブールの存在感をさらに高めることになりました。

社会現象へ

リッスンブールはTwitterのトレンドとなり、TikTokのハッシュタグ「#Listenbourg」は7500万回以上再生されました。この架空の国は、単なるジョークから社会現象へと発展していきました。

企業や団体の反応

多くの企業や団体もこのミームに便乗し、リッスンブールに関するジョークを投稿しました。

オリンピックチャンネルは、「リッスンブール代表団の参加により、オリンピック参加国が207カ国になった」とツイート。
Amazon Prime Videoは、「リッスンブールの歴史に関するレポートを2月31日にリリースする」と発表。
格安航空会社ライアンエアーは、「リッスンブールに新しい拠点を設置する」と発表。
フランスのテレビネットワークTF1は、リッスンブールの天気予報を放送。
サッカークラブのトゥールーズFCは、リッスンブールでトレーニングキャンプを行うと発表。
GPSナビゲーションソフトのWazeは、「リッスンブールへの行き方を知っている」と投稿。

この他にも、多くのブランドや団体がリッスンブールに関する投稿を行い、ミームを盛り上げました。

まとめ

リッスンブールは、インターネットミームから生まれた架空の国家でありながら、詳細な設定と多くの人々の参加によって、まるで実在する国のような存在感を放っています。この現象は、インターネットミームの可能性を示す好例と言えるでしょう。

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