リトアニアの内戦 (1389年-1392年)

リトアニア内戦（1389-1392年）

リトアニア内戦は1389年から1392年の間に発生し、ポーランド王ヨガイラと彼の従弟ヴィータウタスとの間で繰り広げられた権力闘争でした。この争いは、当時ヨーロッパで最も広大な国家となっていたリトアニア大公国の支配権を巡るものでした。

背景

この内戦の背景には、リトアニアを支配していたゲディミナス家の争いがありました。ゲディミナスの死後、彼の子供たちであるアルギルダスとケーストゥティスは共同で国を治めていましたが、1377年にアルギルダスが亡くなると、ヨガイラと彼の従弟ヴィータウタスの間で権力闘争が勃発しました。特に1381年から1384年の内戦を経て、両者はそれぞれの勢力を強化し、再び対立することになります。

ヨガイラがポーランドへの王位昇格後、彼はスキルガイラをリトアニアの統治者に任命しましたが、その統治は魅力を欠いており、ヴィータウタスはスキルガイラに反発して立ち上がることになります。彼はドイツ騎士団と結盟することで自らの地位を強化しようとしましたが、騎士団もまた対立の火種でした。

内戦の勃発

内戦は1389年に始まり、ヴィータウタスはまず首都ヴィリニュスの制圧を試みましたが失敗し、その後ドイツ騎士団との同盟を目指しました。1389年から1390年の期間、ヨガイラはリトアニアにポーランド軍を送りこみ国の安定を図ろうとしましたが、これが却って反感を招く結果となりました。

1390年には再びヴィリニュスを包囲するが、連合軍は様々な困難に直面し、包囲戦は失敗に終わります。この段階で、長期的な戦闘は続いていましたが、決定的な勝利を収めることは難しい状況でした。

和平の模索

1392年に入ると、ヨガイラはついに妥協案を提示します。これにより、ヴィータウタスはヨガイラを上位君主と認めた上で大公位に就くこととなりました。この合意は、オストルフ協定という形で結ばれ、長い戦争に終止符が打たれました。

この合意により、ヴィータウタスは大公位を得てリトアニアを支配することが可能となり、スキルガイラは他の地域へと移されることになります。これによりリトアニアは比較的安定を取り戻し、ヴィータウタスはヨガイラとの平和的な共有君主としての地位を確立しました。

結論

この内戦はリトアニアにおける政治情勢を一変させ、ヴィータウタスはその後38年間にわたりリトアニア大公国を統治することになります。また、両者の関係は、彼らの先代の時代と同様に、平和的な方法での協調関係に向かいました。内戦は国を疲弊させましたが、ヨガイラとヴィータウタスの妥協が新しい時代の幕開けを意味するものでした。

もう一度検索