リトアニアの大統領

リトアニア大統領について

リトアニア大統領（Lietuvos Respublikos Prezidentas）は、リトアニア共和国の国家元首です。現職大統領は、2019年7月12日に就任したギタナス・ナウセダ氏です。

大統領の権限

リトアニア大統領は、近隣諸国のエストニアやラトビアの大統領と比較して強い権限を有しており、フランス大統領の権限構造に類似していると言われています。アメリカ合衆国大統領とは異なり、外交における権限が強く、信任状捧呈や条約への署名などの国家元首としての儀礼的な権限に加え、外交政策の基本方針を決定する重要な役割を担っています。

リトアニア軍の最高司令官として、国防会議を主宰し、国防軍司令官を任命する権限も有しています（ただし、セイマスの承認が必要です）。

内政においても、セイマス（国会）への法案提出、可決された法案への拒否権行使、首相の任命と政府承認など、重要な役割を果たします。セイマスにおける内閣不信任決議の可決や、セイマスが政府の予算案を60日以内に可決できなかった場合には、解散総選挙を行う権限も持っています。ただし、解散総選挙で選出された議員によって、任期満了前の大統領選挙を要求される可能性もあります。

司法においては、憲法裁判所判事の3分の1と最高裁判所判事全員を指名し（セイマスによる任命）、他のすべての判事を直接任命する権限を有しています。

大統領の選出

1992年に制定された憲法に基づき、大統領の任期は5年であり、二回投票制によって選出されます。第1回投票で当選するためには、投票数の絶対過半数を得るか、得票数が登録有権者数の3分の1に達する必要があります。いずれの候補者もこの条件を満たさない場合は、2週間後に上位2名による決選投票が行われます。

大統領に就任した後は、政党の党員資格を一時的に停止する必要があります。

大統領が在任中に死去または職務執行不能になった場合は、新たな大統領が選挙で選出され、就任するまで、セイマス議長が大統領職を代行します。

関連項目

* リトアニアの統治者の一覧

もう一度検索