リトアニア・ソビエト社会主義共和国

リトアニア・ソビエト社会主義共和国の歴史

リトアニア・ソビエト社会主義共和国（Lietuvos Tarybų Socialistinė Respublika）は、ソビエト連邦の構成共和国として1940年に成立し、1991年まで続きました。リトアニアは、ソ連への編入やナチスによる占領、さらには独立回復に至るまで、多くの歴史的出来事を経てきました。

体制転換とソ連編入

1940年6月14日、リトアニアはソ連から彼らの意向に従った「友好的」政権の設立を求められる最後通牒を受け取りました。この要求に対し、リトアニアの大統領であったアンタナス・スメトナ氏は抵抗を試みましたが、閣僚や軍の指導者たちから支持を得ることができず、最終的には受諾せざるを得ませんでした。エストニアとラトヴィアも同様の最終通達を受け、その直後にソ連の赤軍がリトアニアに侵攻し、国土の占領が始まりました。

1940年7月、人民議会の選挙が実施され、共産党が形成した候補者名簿「リトアニア労働人民同盟」の名のもとに行われました。この選挙は自由なものでなく、多くの反対候補が排除されました。それでも95%の有権者が参加し、99.19%が共産党候補に投票したとされていますが、その不正は後に広く非難されました。7月21日、人民議会はリトアニアを「ソヴィエト社会主義共和国」とすることを宣言し、続けて土地や企業の国有化が進められました。

その後、リトアニアはソ連への加盟申請を行い、モスクワで承認されたことで形式上は自発的にソビエト連邦に加盟したことになりますが、現代のリトアニアでは多くの国民がこれを強制的な併合と見なしています。

ナチスによる占領と再占領

1941年6月22日、独ソ戦が勃発するとリトアニアはナチス・ドイツの支配下に入ります。この占領は約3年間続き、1944年になってようやくソ連軍がリトアニア全土を再占領する結果となりました。

独立回復の動き

1980年代末、バルト諸国で広がった「歌う革命」と呼ばれる独立運動が色濃くなり、1990年3月11日にはリトアニアが最初に独立を宣言しました。この動きは地域の他の国々にも影響を与え、1991年のソ連8月クーデターの失敗を受けて、リトアニアの独立は正式に承認されました。

リトアニア・ソビエト社会主義共和国は、その誕生から独立回復までの間に多くの試練を経ました。その歴史は、占領や抵抗、また独立運動の力強さを映し出しており、現在においてもリトアニアの国民意識や政治情勢に影響を与えています。

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