リバイバル (キリスト教)

キリスト教におけるリバイバル：信仰復興運動の詳細解説

リバイバル（Revival）とは、キリスト教用語で「信仰復興」を意味し、信仰を持つ人々の急速な増加を伴う信仰運動を指します。特に、18世紀のアメリカで起こった「大覚醒」と呼ばれる信仰運動は、リバイバルの代表的な例として知られています。

リバイバルの歴史的背景

18世紀のアメリカは、国民の多くがキリスト教徒であるにもかかわらず、信仰的な熱意を持つ人が少ない時代でした。そのような状況下で、信仰的な熱心さと教会成長を伴う信仰運動が勃発・拡散し、リバイバルとして認識されるようになりました。この運動は、ウェスレー、ホイットフィールド、ジョナサン・エドワーズといったリバイバリストの指導者たちによって推進され、特に「大覚醒」と呼ばれています。

リバイバルの評価と課題

リバイバルは、キリスト教圏以外でのキリスト教の躍進を指すかどうかで意見が分かれることがあります。しかし、イギリスやアメリカのリバイバリズムを継承する福音派では、リバイバルを目標として掲げ、その実現を祈り求めています。日本においては、明治期や終戦後のキリスト教徒増加をリバイバルと捉える見方もあり、プロテスタント諸派の間で一致が見られました。

一方で、リバイバルに対する批判や反対運動も存在します。例えば、ウェスレーやホイットフィールドは、当時の教義を重視する教会から熱狂主義者として非難されました。ジョナサン・エドワーズは、聖餐に改心体験の告白を必須としたことから反発を受け、牧師の職を解任されています。現代でも、エキュメニカル派はリバイバルを否定的に見る傾向があります。プロテスタント教会内では、信者の急増を背景とした神学軽視や、伝統的教義への回帰が見られないことを理由に、リバイバルを一時的な運動として捉える見方もあります。また、カトリック教会は、使徒の権威継承と聖餐を中心とする教会論の違いから、プロテスタントのリバイバルとの交流はほとんどありません。

リバイバルの影響と現代的意義

リバイバルは、信仰復興運動として、その後のキリスト教界に大きな影響を与えました。イギリスやアメリカにおける信仰復興運動は、大覚醒の後も定期的に発生し、欧州にも波及しました。また、アメリカを拠点として世界にプロテスタントの宣教師を派遣する原動力となり、世界的なプロテスタントの拡大に貢献しました。近年では、伝統的なカトリック教会や国教会でも、リバイバル派のワーシップソングを礼拝に取り入れる傾向が見られ、礼拝形式上の違いが曖昧になりつつあります。

リバイバルを強調する諸派は、キリスト教の伝道が成功した結果として、政治・経済、さらには自然環境までもが改善される「トランスフォーメーション」という現象を重視しています。これは、キリスト教精神が社会全体に浸透し、良い影響をもたらすことを意味します。ただし、伝統的な教派でも、地球環境の保護を信徒の義務とする考え方が浸透しており、キリスト教会のエキュメニカルな働きの一つとなっています。

まとめ

リバイバルは、キリスト教における信仰復興運動であり、その歴史的背景、評価、影響は多岐にわたります。リバイバルは、信仰の刷新と教会成長をもたらす一方で、教義や教会形成における課題も提起します。現代においても、リバイバルはキリスト教界に影響を与え続けており、その意義を理解することは、キリスト教の理解を深める上で重要です。

参考文献

『リバイバル』D・M・ロイドジョンズ著　いのちのことば社
『栄えに満ちた喜び』D・M・ロイドジョンズ著　地引網出版
『リバイバルの源流を辿る』尾形守著　マルコーシュ・パブリケーション社
『カミング・リバイバル』ビル・ブライト著　パトモス社
『ヒーリング・ザ・ランド（トランスフォーメーション）』デイビッド・ニュービー著　小牧社出版

関連項目

福音派
信仰復興運動
大覚醒
第一次大覚醒
第二次大覚醒
第三次大覚醒
第四次大覚醒

もう一度検索